黒松は根元付近の幹から葉が芽吹くことが、ほとんどないため、小さなミニ盆栽を作る方法は、実生(種まき)をして、発芽した苗から育てるとよいです。
盆栽は根張りが重要ですので、根を見せるように植え付けると、最初の枝までの幹が長くなります。
幹を短くする方法が、発芽後の軸切り挿し芽です。発芽後、幹を短く切り、土に挿します。
黒松の苗
黒松の発芽した苗。三河黒松の
種を鉢に蒔き、発芽させました。
三河黒松の種は、インターネット通販を使って盆栽店で購入しました。黒松の種は、販売されていることが多いですので、手に入れやすいです。
黒松は発芽率もよいですので、
実生(種まき)は簡単です。
黒松の実生(種まき)を様子を詳しく書いた記事です。参考にして下さい。
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3月30日撮影。今シーズンは3月は暖かい日が多く、
本葉が芽吹き、幹の色が変わり始めたので、
軸切り挿し芽をする時期になりました。
九州の福岡県の平野部で栽培していますので、温暖な気候です。地域や気候条件によって、黒松の軸切り挿し芽をする時期は違いがあります。
発芽した三河黒松。樹高が2センチと小さく、
ミニ盆栽の素材になりそうな苗です。
直根を切って、一番高い位置にある根から4センチあり、成長すると幹が長くなります。
土の上で出ている部分は、樹高2センチと素材になりそうな苗も土から抜き、全体を見ると幹が長くミニ盆栽の素材にすることは、難しいです。
根元付近の幹の部分から芽吹くことがない黒松をミニ盆栽の素材にするためには、軸切り挿し芽が必要になります。
挿し床の準備
鉢はプレステラ90
黒松の
軸切り挿し芽をするために、
挿し床を準備します。プラスチック製の鉢を
挿し床に使うことにしました。
アップルウェアーの
プレステラ90型。10ヶ組で価格が安いですので、
ミニ盆栽の素材を作る鉢として、よく使っています。
日本製ですので、耐久性が高く、使いやすいです。
正方形で、1辺は7.5センチ。2.5号の鉢ぐらいの大きさです。
高さも7.5センチ。底から6.2センチぐらいのところに段差がありますので、段差まで用土を入れると、ウォータースペースを簡単に作ることができます。
苗の生産のための鉢になりますので、親切な形状です。
プレステラの一番の特徴は、鉢の中で
根が巻く、
サークリング現象を防ぎ、植物の成長がよくなることです。
根のサークリング現象を防ぐために、側面から底にスリットがあります。
スリットから
根の先端が出るようになっていますので、鉢の中で巻くことがありません。
植物の成長がよくなり、根詰りを防ぎます。植え替えも簡単になりますので、おすすめの鉢です。
黒松の
軸切り挿し芽をした後は、
そのままの状態で1年間、栽培しますので、栽培に適したプレステラを選びました。
挿し床に6個のプレステラを使います。
用土は赤玉土
黒松の
軸切り挿し芽の
用土は、
赤玉土を使います。
用土は、地域の気候などの栽培する環境によって変わりますが、軸切り挿し芽は赤玉土だけで大丈夫です。
プレステラはスリットが、たくさんありますので、排水性(水はけ)がよく、桐生砂などを混ぜる必要はありません。
コスト的も赤玉土だけが最適です。
スリットが見えなくなるまで
ゴロ土を入れます。横方向に隙間があるところまで入れました。
黒松の
軸切り挿し芽に使う用土は、
赤玉土の
極小粒です。
土入れで
赤玉土の
極小粒をプレステラの段差のところまで入れます。
6個のプレステラに
用土を入れて、
挿し床ができました。
水遣りをする
軸切り挿し芽をする前に、
挿し床に
水遣りをします。
細かい粉末の微塵が鉢の中で固まると、排水性(水はけ)が悪くなります。固まる前の最初に水遣りで流し出すことができます。
黒松の挿し芽の準備
苗を採取して水揚げ
黒松の苗は、たくさんありますので、土から抜くことが大変ですので、
根元でハサミで切りました。
根元をハサミで切ることで、根だけになった苗から芽吹くことがないか?確認することができます。苗を採取後も水遣りを続けましたが、葉が芽吹くことはありませんでした。
採取した
黒松の苗は、
乾燥しないように水につけます。
水揚げと呼ばれる作業です。
挿し木では長時間、水揚げしたほうが成功する確率がよい報告を見ますが、軸切り挿し芽の場合は、水分を多く含む新芽ですので、気にする必要はありません。
軸を切り挿し芽を作る
黒松の
軸切り挿し芽の準備に必要な道具は、カミソリと野菜です。カミソリでなく、よく切れるハサミやカッターでも大丈夫です。
挿し芽の軸を切るときに、まな板に野菜を使います。
野菜の養分によって発根しやすくなるなどの効果があると聞いたことがありますが、信ぴょう性はありません。
野菜が柔らかいですので、カミソリの刃が傷むことがなく、挿し芽の軸を切り続けることができます。
野菜(ニンジン)のまな板の上に黒松の苗をセットします。
切り口の断面積が大きくなるように、斜めに切ります。
断面積が大きくなることで、水を吸い上げる量が増えますので、枯れる可能性が小さくなります。
挿し芽の軸の長さは2センチ。どのくらいの長さが最適なのか?不明です。
発根が可能ならば、短いほうがミニ盆栽の素材に適しています。
黒松の苗は、たくさんありますので、軸の長さを1.5センチにした
挿し芽を作りました。
軸の長さが短くなると、発根できなくて枯れる可能性があります。
枯れることを覚悟して、軸の長さを1センチと短くした
挿し芽を作りました。
軸が短くなることで、挿し芽が小さくなりますので、生命力が低下します。用土に挿すことができる長さが1センチですので、乾きやすく、失敗する可能性が高いです。
黒松の軸切り挿し芽は、軸の長さが2センチ、1.5センチ、1センチの3種類を準備しました。
結果を確認することで、最適な軸の長さが分かります。
黒松の軸切り挿し芽を挿す
発根促進剤ルートン
挿し木や
挿し芽の
発根を促進させるルートン。成功する可能性を高くするために使用しました。
挿し木や取り木などでも使用しますので、1つ購入すると便利です。20グラム入りの一番小さいルートンでも、あまり減りません。
箱が日に焼けて、使用期限が過ぎていますが、効果があると信じて使用しました。
ルートンは粉末状ですので、小さい鉢受け皿などの容器に出します。
発根促進剤
ルートンに水を加えて、ペースト状や溶液にする使い方がありますが、
挿し芽は乾燥しないように水につけていますので、粉末のまま使用できます。
水に濡れている
挿し芽を粉末状の
ルートンに触れるだけで、
軸の部分にキレイに付着します。
挿し芽を用土に挿す
挿し床の
用土に竹串などの棒で、穴を作ります。
カミソリでキレイに切った切り口を傷つけないために、穴を作ります。挿し芽の軸は柔らかいですので、用土に挿すことが難しいです。
1つのプレステラ90に、4つの
挿し芽を挿しますので、穴を4つ作りました。
軸切り挿し芽をした後、黒松をそのままの状態で長期間、栽培する場合は、1つの鉢に1つの挿し芽がよいです。
鉢が増えると、スペースが必要になり、水遣りや移動などの管理が大変になりますので、挿し芽の数と容器は、管理を考慮して検討します。
発根促進剤ルートンを付着させた
挿し芽を用土に挿します。
隙間がありますので、竹串でやさしく
用土を詰めます。
穴を作った部分の用土の粒と粒の隙間が、水遣りの水の流れでなくなり、挿し芽の軸に密着します。
軸に密着することで、乾きにくくになりますので、成功する可能性が高くなります。
黒松の
軸切り挿し芽を成功させるために、挿した後、
風などで挿し芽が動くとよくないです。
針金を使って挿し芽を固定します。針金をU字型に曲げます。
軸の長さを1センチにした
挿し芽は、
軸が短く、動く可能性が高いですので、すべて固定しました。
軸の長さが短いですので、深く用土に挿していますが、少し心配です。
黒松の軸切り挿し芽の管理
黒松の
軸切り挿し芽は、直射日光の当たらない
明るい日陰で管理します。
3月30日に、黒松の軸切り挿し芽をしましたので、3か月後の7月に発根していれば、暑い夏を乗り越えることができます。
晴れた日の不在の昼間が心配ですので、少し暗い日陰で管理します。
100均のA4の大きさのトレーにプレステラ90が6個入ります。
底に水を入れることで、乾くことがありません。
暑い日でも心配する必要がなく、安心できます。
黒松の軸切り挿し芽は、軸の長さを2センチ、1.5センチ、1センチの3種類を8つずつしました。
軸の長さによって、成功率がどのくらい変わるか?確認できます。
乾かないように、毎日の水遣りをして成功させます。
黒松の軸切り挿し芽の今後の様子は、この記事を更新します。
発根して成長させて、ミニ盆栽の素材になるまでを記録する予定です。黒松のミニ盆栽を作りを楽しみましょう。
赤松の軸切り挿し芽については、別の記事で詳しく書きましたので、参考にして下さい。
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