ニオイスミレは、スミレ属の多年草。スイートバイオレットと呼ばれ、小さい
花ですが、
よい香りが特徴のスミレです。
花が少ない冬から早春が開花時期ですので、寂しい冬でもガーデニングスペースを彩ってくれます。
ニオイスミレは、香りがよいことから香水の原料として栽培されているスミレです。香水の原料だけではなく、花を紅茶に浮かべ、香りを楽しむなどハーブとして古くから利用されています。
ニオイスミレの特徴
日本原産のスミレ属の植物がたくさんありますが、
ニオイスミレ(スイートバイオレット)は、
ヨーロッパや北アフリカから西アジアが原産です。
購入した苗のラベルには、「はかた紫」と品種名が記載されています。日本の風土に合わせて品種改良されたニオイスミレになります。花の色が濃い紫色が特徴で、一重咲きです。
福岡県のホームセンターで販売されていました。インターネットで検索しても、多くの情報や苗の販売を見つけることができませんでした。
品種名に「はかた」を入れていますので、福岡県で栽培されている可能性があります。
多くの品種があることもニオイスミレの特徴で、花は紫、ピンク、白、黄など、たくさんの色があり、八重咲きの品種が人気が高いです。
苗を購入するときは、色や形状など、どのような花が咲くか、確認しましょう。
ラベルの裏に、簡単な説明と管理のポイントが記載されています。
春の訪れとともに花と香りが多くなります。
スミレ科・多年草
開花期…10月~5月
草 丈…10~15cm
管理のポイント
〇日当たり良く(半日陰でもOK) やや湿り気味の肥えた土を好む。
〇肥料は春・秋 2~3回与える。
冬に開花が始まりますが、暖かくなるにつれて、香りが強くなり、花の数も増えます。
ニオイスミレの育て方
栽培環境
ニオイスミレは日当たりのよい場所で育てます。耐暑性がやや弱いですので、暑い夏は直射日光が当たらない日陰で管理します。
地植え(庭植え)の場合、夏は葉が茂り日陰に、冬は落葉して日が当たるようになる落葉樹の根元などが適しています。
鉢植えは簡単に移動できますので、管理が楽です。夏は棚などに置き、地面から遠ざけると地熱の影響が少なく、涼しく管理することができます。
棚や台に置くことで、高い位置なりますので、顔に近く、小さな花が楽しみやすくなり、香りを楽しむことができます。
用土
地植え(庭植え)は、腐葉土などを混ぜることで、排水性(水はけ)と水もちがよい、肥えた土にします。
鉢植えは、ホームセンターや園芸店で販売されている草花用の培養土で栽培できます。用土を配合する場合は、赤玉土(小粒)と腐葉土を1:1の割合で混ぜた用土が適しています。
水遣り
ニオイスミレの水遣りは、春と秋が朝に1日1回。夏は朝と夕方に1日2回。寒い冬は3~4日に1回が基本です。
暑くて乾燥している時期は、ハダニが発生しやすいですので、早朝や夕方に葉水をすると対策になります。
花が咲いていますが、冬は乾かし気味にするとよいです。
植え付けと植え替え
ニオイスミレの植え付けは、秋が最適です。苗を購入したら、すぐに植え付けをします。
植え替えは、花が終わった時期が適しています。ニオイスミレの根は、とても細いですので、傷つけやすいです。株の周りの土は、あまり崩さないで植え替えます。
植え替えは一回り大きな鉢に植え替えることが基本です。鉢を大きくしたくない場合は、株分けすることで、小さい鉢のままで管理できます。
ニオイスミレの植え付け
ニオイスミレの苗は、黒色のビニールポットです。
このままの状態では、花を楽しむことができないので、キレイに鉢に植え付けます。
苗のサイズ
ビニールポットの直径は10.5センチ(3.5号)。草花では少し大きいビニールポットです。
鉢の大きさを選ぶために、苗のサイズを確認します。基本は苗のサイズより一回り大きな鉢を選びます。
鉢のサイズは、4号(直径12センチ)が適していることになります。
草丈は5センチぐらい。花は5~10センチあります。
草丈や花の高さは、鉢の高さ(深さ)を選ぶ基準になります。草丈が高い苗に、深い鉢はバランスが悪いです。
鉢の準備
ニオイスミレの美しい
花を楽しむために、雰囲気のよい陶器の
鉢に植え付けます。
陶器の鉢は、重くて割れることもありますが、雰囲気がよいですので、おすすめです。小さいサイズの鉢は、重さが気になることがないです。
プラスチック製の鉢より価格が高いことがデメリットです。
100均の陶器の食器に穴を開けて、鉢にすることで、安価に陶器の鉢を手に入れています。
陶器の
鉢の直径は8センチ。3号(直径9センチ)より少し小さい
鉢です。
ニオイスミレの苗のサイズより小さいですので、株分けして植え付けることにします。
鉢の高さは7センチ。100均の「職人仕上げ 美濃焼」は小さな山野草に最適なサイズです。
小さな
穴を2つ開けて、流れ出た水が溜まらないように高台を2ヶ所、削りました。
商品名は「そば猪口 線黒マット」です。Made in Japanと日本製ですので、安心できます。
100均の陶器の食器に穴を開けて鉢を作る作業を詳しく書いた記事です。参考にして下さい。
陶器の鉢のサイズが小さいですので、
ニオイスミレの苗を
株分けします。
余った株を植え付けるために、プラスチック製の鉢を準備しました。
プラスチック製の
鉢のサイズは、9センチ角です。四角ですので、円形の3号(直径9センチ)よりも少し大きくなります。
アップルウェアーのプレステラです。底から側面に多くのスリットがあることで、
根のサークリングを防ぎます。
根詰まりを防止して、成長がよくなる鉢です。ホームセンターや園芸店で10個セットで販売されています。価格が安いですので、おすすめです。
ニオイスミレの
用土は、
赤玉土(小粒)と
腐葉土を
1:1の割合で混ぜて作りました。
陶器の鉢は、
排水性(水はけ)がよくなるように、
鉢底石を敷きます。底が見えなくなるぐらいの量です。
プラスチック製の鉢、プレステラは排水性(水はけ)がよいので、
鉢底石が不要です。
用土を入れて、植え付ける準備をしました。
苗の準備
ニオイスミレの苗をビニールポットから取り出して、植え付ける準備をします。
必要な道具は、根を切るためのハサミ、土を崩すための竹串です。ピンセットはゴミなどを取り除くために用意しました。
鉢受け皿などの容器の中で作業することで、土で回りを汚す心配がなくなります。
苗のビニールポットを横向きに置きます。テーブルなどの端で、
花や
葉を宙に浮かした状態で作業すると、傷つける心配が少なくなります。
ビニールポットを取り除きました。細い根が多くあり、
根詰りの状態です。
ニオイスミレは細い根がたくさん伸びますので、小さい鉢では根詰りしやすいです。
根詰りの状態では、成長が悪くなり、たくさんの花を楽しむことができません。
固まっている状態ですので、
竹串で
根を崩すことができません。
縦に切ることで、サークリングで伸びている
根を切断します。
よく観察すると、側面や底は多くの根がありましたが、中心付近は少ないです。
根は、株元から四方八方にたくさん伸びた状態がよいです。側面の根はすべて取り除きました。
株元の下の土を
竹串で崩します。通気性がよくなり、土が柔らかくなることで、
根が伸びやすい状態を作ります。
植え付ける
ニオイスミレの株が準備できました。苗の
根をたくさん取り除き、
株分けして植え付ける状態にしました。
根の量が少なくなり、枯れないか?心配になりますが、ニオイスミレは成長がよいですので、大丈夫です。
花や葉の量と根の量のバランスが重要です。
いろいろな植物で、植え付けや植え替えをして、栽培することで、どのくらいまでなら大丈夫なのか?経験することが大切です。
最初から、全く枯らすことなく、うまく栽培できることはありません。
株の植え付け
陶器の鉢
準備した
陶器の鉢に、
株を植え付けます。
根元の高さが鉢のフチより少し低くなるように、鉢の準備で入れた用土の量を調整します。
株を鉢の中心にレイアウトして、周りに用土を入れます。
用土に隙間ができないように、竹串で突きます。しっかり根の間にも
用土が入るようにします。
ニオイスミレを陶器の鉢に植え付けました。表面は、赤玉土だけにすると見栄えがよくなります。
雰囲気のよい小さなスミレの鉢植え。美しい花と香りを楽しむことができます。
プラスチック製の鉢
もう1つの
株を
プラスチック製の鉢に植え付けます。陶器の鉢より大きいですので、簡単に植え付けることができます。
栽培重視の
プラスチック製の鉢の植え付けができました。
根の成長がよく、根詰りしやすいニオイスミレがプレステラでどのような結果になるか?植え替えるときが楽しみです。
植え付け後の管理
植え付け後は、すぐに
水遣りをします。鉢の底から水が流れまでたっぷり水を与えます。
株分けで乾燥した根に水分を補給して、用土を安定させる効果があります。
植え付け後は、直射日光が当たらない
明るい日陰で管理します。
花びらや
葉が萎れたりするなどの異常がないか?よく観察して、
少しずつ日の当たる場所に移動させます。
花が咲いている苗ですので、植え付けがうまくできたか?花の状態ですぐに確認できます。葉より花のほうが傷みやすいですので、植え付けでうまくできてなければ、花が萎れます。
ニオイスミレの今後
ニオイスミレの苗を
2月8日に鉢に植え付けました。
九州の福岡県で栽培していますので、立春が過ぎると暖かい日が増え、花が多くなり、香りも強くなります。
新しいつぼみがあり、開花する様子を観賞して楽しみます。花が萎れると花柄摘みをします。
開花時期は5月までになっていますが、品種や気候によって変わります。花後の栽培の様子はこの記事を更新します。
ニオイスミレは宿根草ですので、来シーズンも花が楽しめます。来シーズンの開花までを記録する予定です。
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