雪割草(ゆきわりそう)は、寒さの厳しい雪国で、美しい花が開花することによって、春の訪れを知らせる山野草です。花の色が、白色や桃色、赤色や紫色など多彩です。
北陸地方や東北地方の日本海側が原産地。園芸品種が増え、ホームセンターや園芸店で苗が販売されるようになりました。
福岡県のホームセンターで苗が販売されていたので、購入しました。
雪割草は多年草ですので、管理をしっかりすれば、翌シーズンも花を楽しめます。雪国原産の雪割草が九州の暑い夏を乗り越えることができるだろうか?
緑や花が少ない寂しい冬に、美しい花を楽しめることを期待して、雪割草の苗を購入し栽培します。
雪割草の育て方
花が咲いていない苗を購入する場合は、
ラベルで
花を確認します。
「紫花」と記載されていますので、紫色の花です。他に赤色と桃色がありました。
「濃色選抜」の文字があり、濃い紫色を期待していますが、花の写真は濃い紫色から薄い紫色であり、どのくらいの紫色か?判断できません。
ラベルの裏には、簡単に
栽培スケジュールが記載されています。
ラベルは保管しますが、見ようと思って探すと紛失していることがよくあります。写真で保存すると紛失することがありません。
グーグルフォトなどの写真管理アプリで、ラベル用にフォルダ(アルバム)を作ると、すぐに見つけることができます。
雪割草の栽培環境
雪割草の栽培環境は、季節によって変える必要があります。
花が咲く前は日当たりのよい場所が適しています。花が終わり、葉が芽吹き始めると明るい日陰、梅雨時期ぐらいからは日陰。暑い夏は葉が傷みますので直射日光は厳禁です。
涼しくなった秋には明るい日陰、冬は暖かい日の当たる場所で管理します。
梅雨から夏は病気や害虫の被害を防ぐために風通しのよい場所、冬は寒さで傷むので冷たい風が当たらないようにします。
自然の中では、落葉樹の下で育ちます。落葉樹の葉が季節によって芽吹き、茂って、落葉することで雪割草に適した環境を作ります。
庭植え(地植え)で雪割草に適した環境を作ることは難しいですので、鉢植えがおすすめです。
雪割草の水遣り
雪割草は多湿を嫌いますので、土の表面が乾いてから水遣りをします。
1日中、家にいて雪割草を観察することは難しいですので、排水性(水はけ)よい状態を作ることで、春と秋は朝に1日1回、夏は朝と夕方の1日2回、冬は2~3日に1回ぐらいの水遣りで栽培することができます。
雪割草の用土
雪割草は、排水性(水はけ)がよく、通気性がある用土が適しています。雪割草専用の培養土や山野草の土などで栽培できます。
用土を配合する場合は、鹿沼土と日光砂を1:1の割合で混ぜます。日光砂の代わりにボラ土(日向土)でもよいです。
排水性(水はけ)を向上させるために軽石を少量混ぜるとよいです。
素焼き鉢や駄温鉢を使うと、排水性(水はけ)と通気性がよくなりますので、安心して栽培できます。
雪割草の植え付け
雪割草の苗は、黒色のビニールポットですので、
鉢に植え付けます。
開花時期が近いですので、キレイな鉢に植え付けて、美しい花を楽しみます。
花が終わった後に、排水性(水はけ)と通気性のよい駄温鉢に植え替えると、安心して栽培できます。
雪割草の鉢の準備
雪割草を植え付ける
鉢を準備します。
苗を購入するときに、ホームセンターや園芸店で、サイズや色、雰囲気が似合う鉢を探して、一緒に購入するとよいです。
雪割草をミニ盆栽にするために、和風の雰囲気の鉢がよいですが、高価になります。
100均の陶器の食器に穴を開けて鉢にすることで、安価で美しい鉢になります。
100均の「そば猪口」、職人仕上げの美濃焼です。Made in Japanと記載され日本製です。
直径は8センチですので、
鉢のサイズで2.5号ぐらいです。
電動ドリルにダイヤモンドホールソーを装着して、
穴を開けます。
高台(こうだい)があり、水が通り抜けにくいですので、ダイヤモンドやすりで
高台を削ります。
10分ぐらいの作業で、100均の陶器の食器が
鉢になりました。
陶器の食器に穴を開けて鉢にする作業を詳しく説明した記事があります。参考にして下さい。
ビニールポットより少し大きく、鉢を入れ替える程度の植え付けにします。
排水性(水はけ)がよくなるように、
鉢底石を敷きます。
鉢底石はボラ土(日向土)を使いました。鉢底石は砂利や軽石など、いろいろな種類がありますが、注意するポイントは粒の大きさです。用土より少し大きな粒が最適です。
雪割草の苗は、土をあまり崩すことなく、鉢を入れ枯れるだけの植え付けにします。
用土が少し足りないので、鉢底石の上に鹿沼土を入れます。
鉢の準備ができました。
雪割草の苗の植え付け
苗の
植え付けに
必要な道具は、ハサミと竹串です。ゴミなどを取り除くためにピンセットがあると便利です。
鉢受け皿の中で作業すると、周りを汚すことがなく、後片付けが簡単になります。
苗のビニールポットの底を確認します。
根が伸びて少し出ています。
たくさん根が出ている状態ですと、根が引っ掛かりビニールポットから取り出すことができないですので、ハサミで根を切ります。
このくらいの根なら問題ありません。
根の状態はよいです。腐れた
根は黒色ですので、簡単に判断できます。
土の状態も悪くないです。粒状になっていて、嫌な臭い(腐敗臭)がしません。長い根がありますが、開花が近いですので、このまま植え付けます。
雪割草の
苗は土を崩さないで、そのまま鉢に入れました。
苗の位置や向きに注意しながら、土を崩して植え付けます。
仕上げに、
鹿沼土の小粒を敷き、完成です。土の表面は粒の揃った
鹿沼土にすると見栄えがよいです。
植え付け後の管理
植え付け後に
水遣りをします。
鉢の底から水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
水遣りで、排水性(水はけ)の状態を確認しましょう。たまった水がスムーズに抜けていれば、植え付けがうまくできています。
水の抜けが悪い場合は、2~3ヶ所ぐらい竹串で突くと改善します。
植え付け後は、1週間ぐらい直射日光が当たらない
明るい日陰で管理します。
葉が萎れるなどの問題がなければ、少しずつ日の当たる場所に移動させます。
雪割草の今後
1月25日に
雪割草の苗を鉢に植え付けました。
雪割草の開花時期は、2月上旬から5月の上旬です。温暖な九州の福岡県ですので、2月に花が咲くでしょう。
花が咲く様子は、
この記事を更新します。
花が終わった後の栽培に記録もします。
雪割草の栽培スケジュール
雪割草の栽培は、季節によって注意するポイントがあります。
簡単にまとめたので参考にして下さい。
花後の春
3月
花が終わると、新しい葉が芽吹きます。葉の成長に栄養が必要になりますので、窒素の多い肥料を与えます。
固形の緩効性化成肥料を置き肥、液体肥料で十分に肥料を与えます。梅雨時期まで肥料を与え続けます。
小さな鉢に植え付けたので、固形より液体肥料のほうが与えやすいです。
この時期に注意する病気は、灰色かび病です。
灰色かび病は、淡褐色の斑ができる病気です。斑が広がり葉が枯れます。涼しく多湿の状態で発生しやすいですので、風通しをよくします。
花びらが萎れて発生することがありますので、花柄は取り除いたほうがよいです。
4月
日当たりのよい場所で管理して、葉を成長させます。暖かい日は水切れしないように注意が必要です。
4月下旬の日差しが強くなるころから、寒冷紗や遮光ネットで遮光します。50%以下の遮光で、少しずつ遮光する時間を増やします。
葉が芽吹いた後に発生しやすい病気は、炭そ病です。葉に茶色や黒色の斑できて、枯れます。
発生した葉を取り除き、風通しをよくして殺菌剤を散布します。
初夏から梅雨
5月
日差しが強くなり、葉が固まりますので、病気や害虫を防ぐために消毒を開始。
暖かくなり、害虫の被害が心配な季節です。ナメクジ、アブラムシ、ハダニなどに注意します。
殺菌剤と殺虫剤が1つになった商品がありますので、1度に散布でき、便利です。
殺菌剤は異なる2種類のものを交互に使用すると、いろいろな種類の病気に対応できます。
釉薬が美しい陶器の鉢は、通気性が悪いですので、栽培しやすい素焼き鉢や駄温鉢に植え替えるなら、5月ぐらいがよいです。
6月
梅雨入れごろには、遮光を70~90%ぐらいまでに増やします。直射日光で葉が傷みますので注意が必要です。
梅雨時期は、多湿になりますので病気が発生しやすく、定期的に殺菌剤で消毒します。
雨が当たる場所では、多湿になりやすいですので、軒下など雨が当たらない場所で管理します。
梅雨明けから暑い夏
7月
梅雨の後半は、大雨が多く過湿になりやすいですので、特に注意します。
晴れると日差しが強いですので、直射日光に当たらないようにします。夏至が近づき太陽の高度が高くなり、日陰が少なくなります。
遮光ネットなどで、朝と夕方は日陰になっている場所でも、昼間は日が当たることがありますので注意してください。
梅雨明けから夏の間は、肥料を与えません。
8月
雪国原産の雪割草の栽培で、一番心配な暑い夏です。
雪割草は夏の暑い時期は休眠します。用土が乾かないように朝と夕方の1日2回にの水遣りが大切です。
水遣りができないときは、鉢受け皿に水を入れて管理します。
直射日光は厳禁。風通しのよい日陰で、涼しい場所が最適です。
涼しくなり始める秋
9月
福岡県は9月の後半になると、朝夕が涼しくなり始めます。
寒暖の差が大きくなりますので、昼に水切れしないように注意します。
10月
昼間の時間が短くなりますので、遮光を50%ぐらいに戻します。 葉や芽に光を当てることで成長がよくなります。
夏の間、与えていなかった肥料を再開します。窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)が6-6-6などの同じ量の肥料を与え始めます。
11月
遮光ネットを少しずつ減らして、日に当たる時間を長くします。
寒くなり始める冬
12月
九州の福岡県では、年末ぐらいから寒さが厳しくなり始めます。
最低気温が10度を切るぐらいですので、雪国原産の雪割草には、本格的な寒さではないです。
1月
福岡県の平野部で栽培していますので、最低気温が0度以下になることは珍しく、大陸からの寒波で雪が降るような日だけです。
朝の冷え込みで、霜が降りますので、霜にあたらないように注意が必要です。
開花時期が近づいてきますので、素焼き鉢や駄温鉢で栽培している場合は、キレイな鉢に植え替えをする時期です。
2月
花芽が膨らんで開花する時期です。
花芽をナメクジや夜盗虫などに食べられることがありますので、害虫対策をします。
栽培スケジュールのまとめ
雪割草は日当たりなどの管理が大切になります。
早春に美しい花を楽しむために頑張って、栽培します。早春に雪割草の花を楽しみましょう。
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