赤紫色の花穂がたくさん咲く千日小坊。
1つの花穂が約1か月間、楽しめます、秋や冬の花が少ない時期に、長期間、花がもつ、魅力的な植物です。
千日小坊の特徴
千日小坊は、小さい千日紅です。花穂がたくさん咲くヒユ科の多年草です。
花穂の大きさは0.5~1センチくらい。草丈は30~100センチですが、鉢植えは大きくなりません。
開花時期は10~12月。9月ぐらいからホームセンターや園芸店で販売され、苗に花穂が咲いていますが、促成栽培で開花させています。
花穂がないと、ただの草のようになりますので、千日小坊を知っている人しか買わないでしょう。
千日小坊は、日照時間が短くなると花芽を付ける短日植物です。街灯などで夜でも明るい場所では開花しないことがあります。
開花時期は晩秋から初冬ですが、耐寒性が弱く、気温が5度以下になると葉が枯れます。室内の日当たりのよい場所なら冬の間、花穂を楽しむことができ、冬越しが可能です。
千日小坊を小さな鉢植えで育てる様子を記録しました。
千日小坊の苗
ホームセンターで購入した
千日小坊の
苗。9センチ角のビニールポットです。2つの株があります。
苗選びのポイントは、元気で健康な葉がたくさんある苗を選ぶことです。
草丈は26センチぐらいです。庭や花壇に地植えする場合は大きいほうがよいですが、
鉢植えは、
風で倒れる可能性があります。
花が咲いている時期は支柱で支えると、見た目が悪くなりますので、おすすめできません。あまり大きくない苗を選びましょう。
縦に細長い雰囲気が美しい千日小坊ですが、徒長して節の間隔が長いと、葉の数が少なくなります。
ちょっと離して苗を見て、バランスを確認します。苗を手に持ち、腕を伸ばして、目の高さまで上げ、真横から見るとわかりやすいです。
ラベルは保管しますが、よく紛失するので写真に撮影するとよいです。苗のラベル用のフォルダ(アルバム)を作ると、簡単に探せます。
ラベルの裏に
千日小坊の性質、育て方、ポイントが記載されています。
花の時期は屋外で9~10月、室内では11~3月です。暑さには強いですが、寒さに弱いです。室内で管理すれば、冬に長期間、花を楽しむことができます。
冬に5度以下になると、葉が紅葉したり、葉と枝が枯れたりしますので、室内の日当たりのよい場所で管理するとよいです。
温暖で積雪しない地域なら、屋外で冬越しできる可能性があります。葉は枯れますが株が土の中で生きています。
千日小坊の植え付け
千日小坊は寒さに弱い性質がありますので、気温が低下する時期は保護する必要があります。
小さな鉢植えにすれば、家の中で保護することが可能です。部屋は暖房で暖かいことはよいですが、乾燥しますので、玄関や暖房を入れない部屋の日差しが当たる窓際などで管理します。
鉢の準備
初めて育てる植物は、
駄温鉢を使います。栽培しやすい鉢で、普段から使い慣れていますので、乾き具合など管理しやすく、安心できます。
小さな鉢は用土の量が少なく、真夏の水切れや寒い冬の凍結など、トラブルが発生することがあります。
鉢の
高さは8センチ。コンパクトな鉢ですので、
置く場所に困りません。価格が安いですので、費用面デメリットが大きいです。
小さな鉢ですが、
底に大きな穴があり、排水性(水はけ)がよい鉢です。穴の直径は2センチ。
鉢底ネットの上に鉢底石を1センチぐらい入れました。
鉢底石は、砂利や軽石、発泡スチロールなど、どのようなものでもよいですが、粒の大きさに注意してください。
用土の粒より少し大きな粒の鉢底石を使います。粒が大きいほうが排水性(水はけ)がよくなりますが、あまり大きいと隙間に用土が入り、鉢底石の効果がなくなります。
千日小坊の用土
千日小坊は、特別な用土は必要ありません。ホームセンターや園芸店で販売されている
草花用の培養土で育てることができます。
用土を配合して作る場合は、基本の赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜるとよいです。小さな鉢に植え付けますので、赤玉土は小粒、腐葉土も大きな塊がないものを使います。
用土を鉢の3分目ぐらいまで入れます。植え付けるときに株元の高さが大切です。鉢のフチより高い場合は用土を減らし、低い場合は用土を増やして、調整します。
苗の準備
千日小坊の苗を
ビニールポットから取り出して、土を少し崩します。必要な道具は、
ハサミと
竹串、
ピンセットです。
鉢の底を確認します。
根がたくさん出ていると、苗を取り出すときに引っかかります。出ている
根をハサミで切ります。
苗を横向きに置きます。
テーブルなどの端に置いて作業すると、花や葉を傷つけることがありません。
苗の株元を持って、ビニールポットの底をつまむと簡単に取り出すことができます。
根の状態は、あまりよくないです。ビニールポットなど小さい鉢で長期間、栽培されると、伸びた
根が底で行き場を失って塊になります。
在庫処分で値引きされた苗ですので、店頭に並べられている間に根が伸びます。このまま植え付けると、根詰まりや根腐れの原因になります。
根を傷つけないように竹串で苗の土を崩します。竹串は先端は尖っていますが、素材が竹ですので適度な硬さで
根を傷つけにくいです。
土を崩すと、長くて太い
根を見つけることができます。
長い根は徒長する原因になりますので、短く切ります。
長くて太い
根をハサミで切ります。根の量が少なくなりますので、枯れないか?心配になりますが、何度か経験すると問題ないことが確認できます。
ホームセンターで安い苗で練習すると、枯らしてもショックが少ないです。いろいろ経験しないとわからないことが多くありますので、値引きされた苗は練習に最適です。
長くて太い根を剪定すると、苗の土を半分くらい崩すことになりました。残った根が少なくなりましたが、枯れる心配はありません。
苗の植え付け
土を崩した
千日小坊の苗。
小さな3号(直径9センチ)の駄温鉢にちょうどよいくらいの土の量です。
植え付けるときのポイントは、株元の高さです。用土を鉢一杯に入れるので、鉢のフチと
株元が同じ高さになります。
ウォータースペースを作る場合は、鉢のフチから1センチぐらい低い位置に株元の高さを調節します。
表面の土が固まっていますので、
竹串を挿して水の通りをよくします。
竹串を深く挿して、土を柔らかくすると
排水性(水はけ)と
通気性がよくなり、
根の成長が活発になります。
用土が少し足りないので、
赤玉土だけを足します。表面の土は
赤玉土だけのほうが、見た目がキレイで、
乾き具合が確認しやすいです。
土を指先で押さえて固めます。中心の株元は弱く、外側は強く押さえます。苗が倒れないようになればよいです。
苗の草丈が高く、倒れそうになる場合は支柱を立てます。
植え付け後の管理
植え付け後は水遣りをします。鉢の底から透明な水が流れるまで、たっぷり水を与えます。
植え付け後の1週間から10日間ぐらいは、
直射日光が当たらない明るい日陰で管理します。
根がしっかり張っていませんので、水を吸収する力が弱いです。朝と夕方の1日2回、水遣りをします。
葉を観察して異常がなければ、植え付けが成功していますので、少しずつ日の当たる場所に移動するとよいです。
千日小坊の鉢植え
3号(直径9センチ)の駄温鉢に植え付けた
千日小坊。
千日小坊は草丈が30~100センチと栽培環境によって、大きさに違いがあります。地植えにすれば大きく成長します。
草丈が28センチぐらいです。
鉢の大きさに対して草丈が大きく、バランスが悪いです。
先端の花を切り落として、草丈を小さくします。園芸で
切り戻しと呼ばれる作業です。
千日小坊は節が分かりやすいですので、先端の1つ下の節で切ります。
植物は先端が大きく成長しますので、2番目の節が切り戻しをすることで先端になり、葉が成長して大きくなります。
切り戻しをして草丈が20センチぐらいになりました。
千日小坊の小さな鉢植えができました。鉢の大きさに合わせて草丈を調節すると、バランスがよくなります。
切り戻しをした茎を挿し穂に使い、挿し芽をすると、株を増やすことができます。千日小坊の挿し芽について、別の記事で詳しく書いていますので、参考にして下さい。
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千日小坊の病害虫
千日小坊は
病気の発生が少なく、育てやすい特徴があります。
日当たりと
風通しがよい環境で栽培することで病気の発生を防ぐことができます。
害虫の発生も少ないですが、葉の裏などを観察して注意しましょう。
千日小坊の今後
千日小坊の苗を9月30日に鉢に植え付けました。福岡県の平野部で育てていますので、12月ぐらいまで花を楽しむことができる可能性があります。
千日小坊の今後の成長や冬越しの様子は、この記事を更新します。
2年目も赤紫色の美しい花穂が楽しめるように、大切に育てます。
他にもヒユ科の植物を育てていますので、参考にして下さい。
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