ミニ盆栽に使う山砂について 桐生砂や富士砂との違いは?


盆栽や園芸用の用土として山砂があります。山砂についてわかりやすく簡単にまとめました。建築資材にも山砂があり、同じ名前でも違うものです

盆栽や園芸用の用土の山砂は、名前に砂がついていますが、砂場の砂のように粒が小さくなく、小粒・中粒・大粒など粒の大きさによって種類があります。

建築資材の山砂は、一般的な砂で公園の砂場の砂です。コンクリートの細骨材として使い、生コンに混入されています。真砂土は山砂の粒が粗いものです。




ミニ盆栽に使う山砂の種類

ミニ盆栽の用土では桐生砂が一般的です。桐生砂は、山砂の中の1つです。桐生砂が使いやすく、販売量が多いため、わかりにくくなっています。

簡単にまとめると
山砂とは、火山から放出される火山砕屑物(かざんさいせつぶつ)が、風化や浸食によって砂状になったものです。

山砂には、桐生砂、富士砂、浅間砂などがあり、産地が有名でないものは「山砂」として販売されています

桐生砂

群馬県赤城山系、桐生市周辺で産出される山砂です。鉄分を多く含み黄褐色で弱酸性です。

山砂が風化したもので、多孔質で角ばっているので根の分岐が促される効果があり、排水性も高く、盆栽の用土に混合されます。

富士砂

山砂が風化されていないもので、硬く鉄分を多く含んでいます。山草類に使用したり化粧砂にもなります。

硬くて重く、多孔質で通気性もよく、排水性を高めるために用土に少し混ぜて使用します。

山砂

桐生砂と同じような性質ですが、産地が有名でないため園芸用土「山砂」としてホームセンターなどで販売されています。桐生砂に比べて価格が安いことがメリットです

全国的に販売しているものがなく、地域で園芸用土を生産している会社のものが多く、ネット通販では取り扱いがほとんどありません。

福岡県のホームセンターで購入した「山砂」は緑産業という農業用や園芸用の用土を生産している会社の商品です。

商品を紹介しているサイトがありました。
緑産業
生産と卸販売だけで、一般には販売していません。

ミニ盆栽の基本の用土は、赤玉土と桐生砂ではなく、赤玉土と山砂(桐生砂など)とすると、わかりやすくなります。


山砂と川砂の違いは?

川砂は、肥料分を含まず、排水性(水はけ)がよい性質です。保水性や肥料もちがよくありません。排水性(水はけ)がよい土を好む樹種に使います。

愛知県の矢作川でとれる「矢作砂」、兵庫県天神川の「天神川砂」、京都県白川の「白川砂」が有名です。

山砂は川砂に比べると、保水性(水もち)と肥料もちがよいです


ミニ盆栽での山砂の使い方

山砂(桐生砂など)は大きな袋で購入するほうがお買い得です。ミニ盆栽で使う場合は、小粒を選びましょう

粒の大きさに規格はなく、生産するメーカーによって異なります。粒の大きさがキレイにそろっているものは価格が高くなります。

ミニ盆栽の用土として使う場合は、フルイで微塵を取り除き、粒の大きさをそろえます。


フルイ
100均でフルイを購入しました。荒目(4ミリぐらい)と細目(1ミリぐらい)の2種類を用意しました。鉢受け皿の10号(直径30センチ)も100均で購入することができます。


荒目
最初に荒目のフルイにかけました。


4ミリ
4ミリ以上の大きな粒です。ミニ盆栽には適していませんが、用土の表面に敷くと化粧砂やマルチングとして使うことができます。


細目
次に、細目のフルイにかけます。

小粒
1ミリ以上4ミリ以下の小粒の山砂です。ミニ盆栽に適した粒の大きさになりました。


3種類
荒目と細目の2つのフルイで、粒の大きさを3種類に分けることができました。左の1ミリ以下は一般的な砂です。真ん中と右の山砂をミニ盆栽に使うことができます。


配合
少し手間が必要ですが、赤玉土や腐葉土などと配合するときに粒の大きさがそろっているほうが均一に混ぜることができます。写真の左上が山砂です。

ミニ盆栽の用土の配合について詳しい記事を書いてます。
関連記事 ミニ盆栽の用土の選び方 基本を理解しよう。


ミニ盆栽に使う山砂 まとめ

盆栽の用土に山砂を配合することで、硬いので根の分岐が促される効果があり、排水性も高くなります。基本の用土の赤玉土に2~3割ぐらい山砂を配合します。

山砂の中で一番有名で、どこでも購入することができるものが「桐生砂」です。盆栽の基本の用土は、赤玉土と山砂(桐生砂など)と覚えるとよいです。

ミニ盆栽に使う山砂(桐生砂など)は小粒を選びます。フルイにかけることで粒の大きさを均一にして使いましょう。

ミニ盆栽の用土は、樹種や栽培の方法や環境によって配合を変えます。基本の用土の性質を理解することで、最適な配合ができるようになります

美しいミニ盆栽の栽培を楽しみましょう。



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