盆栽の栽培で一番大切なことは、水遣りです。盆栽では水遣りのことを潅水(かんすい)と表現することもあるので、難しいイメージがありますが、基本を確認すれば、水遣りを失敗して樹を枯らすことはありません。
盆栽の水遣りの方法
盆栽の水遣りは「表面の土が乾いたら、たっぷりと水を与えます。」が基本ですが、1日中、盆栽を観察することは難しいので、この方法は一般的ではありません。「表面の土が乾いたら」と条件があり、土の乾きを判断することができるのは、たくさんの経験がある盆栽家だけです。美しい盆栽でコケや化粧砂が敷かれていると、土の乾き具合を見ることができません。
初心者でもできる簡単な水遣り
一番簡単な方法は、毎日水遣りをすることです。春と秋は1日に1回、朝に水遣りをします。暑い夏は朝と夕方に1日に2回、冬は2~3日に1回、朝に水遣りします。冬は夕方に水遣りをすると夜の間に鉢の中の水分が凍るので注意が必要です。平日の生活のスケジュールは決まっている人がほとんどですから、水遣りをすることができる時間も決まります。鉢の底から水が流れるまで、たっぷり水遣りをします。
どのような水遣りが盆栽に最適
盆栽に水遣りする道具は、ジョウロ(如雨露)かホースにつなぐ散水ノズルです。水の勢いが強いと鉢の土や砂が鉢の外にこぼれます。盆栽用の水がやわらかく流れるハス口のジョウロや散水ノズルを使います。普通の園芸品のものより高価になりますが、毎日使うもので長く使うことができるので、ちょっと奮発してください。毎日の水遣りが楽しくなります。
幹の根元に水をたっぷり与えます。根元をすべての方向から均一に水遣りをします。水遣りは土に水分を与えるだけでなく、鉢の土の中の空気を入れかえて新鮮にする効果があります。
水遣りを失敗して枯らす。
水遣りが失敗して盆栽を枯らすことがあります。大切な盆栽が枯れて、栽培に自信がなくなりますが、原因をしっかり理解することが大切です。水切れして枯れる
土が乾いて鉢の中の水分が不足することが水切れです。水切れする原因を確認しましょう。①夏の暑さで鉢の土が乾いてしまった。
よくある水切れの原因です。水遣りが悪くて水切れしたのではなく、栽培環境が原因です。水遣りをすることができるのは、仕事をしている人は朝と夕方です。朝の水遣りで与えた水分が夕方には完全に乾く場合は、日陰に移動させたり、夏だけは二重鉢にすることで水切れを防ぐことができます。
夏の間だけは、乾きやすい樹だけを二重鉢にすると水切れ対策になります。
夏の水切れ対策について詳しい記事を書きました。
関連記事 ミニ盆栽の水切れ対策 暑い夏の葉枯れを防ぐ。
②雨が降っているので水遣りをしなかった。
梅雨の時期は雨の日が続くので、数日間、水遣りをしないことがあります。盆栽は小さな樹ですが枝が多く、葉もたくさんついています。上から降る雨だけでは根元に水が流れず、土の中の水分が減ります。樹形によって異なりますが、雨が降っている日でも鉢の土の状態を確認しましょう。
③冬で長い期間、水遣りをしなかった。
冬は寒いので、水遣りをしないことがよくあります。朝の冷え込みが厳しい日など、寒いので水遣りすると鉢が凍ることが心配になります。夕方に水遣りすると夜や明け方に冷えると鉢が凍るので、数日間、水遣りをしない日が続きます。
冬は樹の活動は活発ではありませんが、乾燥しているので鉢の土が乾きます。冬に根を乾燥させると樹に大きな影響を与えます。ムロや保護室などで管理して、2~3日に1回、水遣りをします。
根腐れして枯れる
根腐れは、たくさんの水を与えたことが原因ではありません。根が腐れる理由は、土の中の酸素の量が不足したからです。根も酸素を必要とします。酸素不足になった根が腐れ、微生物の活動が活発になり、根腐れが進行します。
根腐れの対策は、鉢の中の土を通気性と排水性のよい状態にすることです。長期間、植え替えをしていない鉢は注意が必要です。
水を与えすぎても、鉢の土がよい状態であれば根腐れすることはありません。1~2年に1回、植え替えすることで根腐れを防ぐことができます。
水遣りを失敗して枯らすのまとめ
人それぞれに生活のリズムがあり、水遣りをすることができる時間や回数は決まります。水遣りの回数を増やすことは難しいので、二重鉢や腰水で水切れを防ぎ、根腐れ対策は鉢の中の土の状態がよくなるように植え替えをします。
水遣りの時間や回数を変えるのではなく、盆栽の鉢の状態を改善することが簡単な方法です。
朝は水遣りができるが、帰りが遅くなる人は、浅い鉢ではなく、少し深さのある鉢に植えつけるなど工夫をして、生活スタイルに適した盆栽を栽培しましょう。
盆栽の水遣りの基本 まとめ
水遣りをすることができる時間に、春と秋は1日1回、夏は2回、冬は2~3日に1回、することです。樹の根元にたっぷり水を与えます。鉢の土の状態がよければ、根腐れすることはありません。夏は水切れ対策をして昼に乾かないようにします。
枯らすことなく、樹を元気に育てることを目標にして、盆栽に水遣りをしましょう。
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