椿(ツバキ)の鉢植えに取り木
椿(ツバキ)の鉢植え、ホームセンターや園芸店の苗木を鉢植えにしたので、樹高が高くバランスが悪いです。コンパクトな鉢植えにして楽しむなら、樹高を1/3~半分くらいに短く剪定します。幹を半分くらいに剪定すると、半分から上の幹や枝がもったいないので、取り木をして椿(ツバキ)のミニ盆栽を作ります。
取り木とは?
植物を増やす方法の1つです。幹や枝から発根させて、新しい株を作ります。挿し木より確率が高いことが特徴です。種蒔きや挿し木のようにたくさんの株を手に入れることはできませんが、確実に新しい株を手に入れることができます。
ある程度成長した枝のある株なので、鉢に植え付けるとミニ盆栽になります。挿し木は春に芽吹いた新しい枝を使うので、花が咲くようになるまで成長させる期間が必要です。
親木の大きさによって違いがありますが、同時に取り木できる数は、1~2つぐらいです。親木の負担を考えると1つが安全です。親木の状態がよくないと失敗することがあります。
取り木に最適な時期は?
春の芽吹く前と6月の梅雨時期にできます。梅雨時期が成功する確率が高いです。湿度が高く、成長する時期で活発に活動していて2週間ぐらいで発根することがあります。根が成長して、親木から切り離すことができるまで2~3ヶ月間ぐらい必要です。梅雨時期に取り木すれば、3ヵ月後はちょっと涼しくなった9月なので、植え付けに適した時期になります。
取り木の代表的な技法、環状剥皮法
環状剥皮法(かんじょうはくひほう)は、取り木の技法の一つで、樹皮を形成層の部分まで剥ぎ、発根させます。幹の直径の1.5倍ぐらいの幅を、形成層まで完全に剥いで水ゴケや用土などで覆って水分を与えます。取り木は盆栽で木を小さくするために使われます。環状剥皮法は最もよく使う技法で、成功率が高いです。
環状剥皮法で取り木にチャレンジ
よく見ると左の芽は丸くなっているので花芽かもしれません。取り木が成功したら、すぐに花が咲く可能性があります。
赤い線で取り木します。一番上の枝は2番目、3番目の枝より太くて大きいです。植物は先端がよく成長するので、このような枝になりますが、鉢植えの樹形を考えるとバランスが悪く、剪定します。
剪定する予定の枝を取り木してミニ盆栽を作ることができれば、鉢植えの樹形がよくなり、ミニ盆栽の素材の株が手に入る一石二鳥です。
用意する道具
樹皮を剥ぐためのカッター、細い幹なら普通のカッターで大丈夫ですが、太い幹なら大型のカッターやナイフが必要になります。発根を促進させる植物ホルモン剤「ルートン」を用意しました。
黒のビニールポット、切るためのハサミとホッチキス。ビニールポットを固定するために針金。
切り口に雑菌をつけないためにキレイなカッターを使います。 キレイに洗って、ライターの火で殺菌します。
ルートンは粉末状で切り口に塗るときに綿棒を使いました。
黒のビニールポットは取り付けることができるようにハサミで切ります。
用土は赤玉土の細粒や小粒
鹿沼土などがよいです。
小さなビニールポットに用土を入れるので、土入れがあると便利です。
幹の皮を剥ぐ
カッターで幹に1周切れ込みを入れます。切れ込みを入れると必要以上に樹皮を剥ぎすぎることがなくなります。赤い線のところをカッターで切れ込みを入れます。この幅が幹の直径の1.5倍以上必要です。幅が小さいと傷を修復しようとして繋がると発根しません。
上と下に切れ込みを入れているので、キレイに樹皮を剥ぐことができます。
上の切り口に発根促進剤「ルートン」を綿棒で塗ります。
樹皮を剥いだ部分を用土で覆う。
ハサミで切ったビニールポットを樹皮を剥いだ部分に取り付けます。少し重ねてビニールポットをホッチキスで留めます。ビニールポットが動かないように針金を使って固定します。ビニールポットに穴を開けて針金を通し、幹や枝、支柱などに固定します。
土入れを使ってビニールポットに用土を入れます。鹿沼土の細粒を使いました。赤玉土の細粒、挿し木用の土などがよいです。
ビニールポットの8分目くらいまで用土を入れました。
細粒は、とても細かいのでスプレーで水をたっぷり与えます。ジョウロなどを使うと水の流れが強く、表面の土が動きます。
毎日の水遣りのときに、ビニールポットにも水を与えるので、表面に赤玉土の小粒を入れます。
水遣りに使っている散水ノズルのシャワーで水を与えても大丈夫になりました。この状態で2~3ヶ月間、乾かないように水を与えます。
取り木をした後の栽培について
取り木をした後は、特別な保護は必要ありません。ビニールポットの用土が乾かないように注意するだけです。梅雨に取り木をすると、根が十分な量になるのは3ヵ月後の9月頃です。切り離して新しい鉢に植え付けます。椿(ツバキ)は常緑樹なので秋の植え付けで大丈夫です。
根の量が少ない場合は、春に切り離したほうが安全です。新しい根だけで寒い冬を越すことは樹の負担が大きくなります。
暖かくなった春なら、根が成長するので少ない根でも安心できます。落葉樹も春に切り離して植え付けることをお勧めします。冬の間は葉がないので木の状態がわかりません。
9月に切り離して、新しい鉢に植え付けることができたら、この記事を更新します。
椿の取り木の切り離し
10月になり、椿の取り木をしてから約3か月が経過。夏は小さなビニールポットは乾きやすく、朝と夕方に水遣りをして水切れに注意しました。6月下旬には小さなつぼみでしたが、冬に花が咲きそうなぐらいに大きく成長しています。取り木した部分を切り離して、椿のミニ盆栽を作ります。
取り木を切り離して小さな鉢に植え付ける①
用意した鉢は、左側が100均で3個セットで販売されている素焼きの鉢と駄温鉢の中深の2種類です。100均の素焼きの鉢は価格が魅力ですが、乾きやすい欠点があり水遣りが少し大変です。駄温鉢のほうが乾きにくく、中深はバランスよいので気に入っています。
用土は赤玉土の小粒です。ふるいにかけて2種類の大きさに分けています。小さい粒のほうが保水力があり水切れ対策になります。腐葉土を少し混ぜると良いです。
鉢の底に用土を入れて、植え付けの準備をします。根は乾燥に弱いですので、植え付けを短時間で終わらせるようにします。
ビニールポットを取り外しました。発根は良好で、十分な量の根があります。 根の量が少ない場合は再びビニールポットを取り付けて、根が増えるまで取り木を継続します。
用土を取り除いて根の状態を確認します。四方八方に根が広がり、ミニ盆栽に仕立てたときの根元に期待が持てそうです。
ハサミで切って切り離します。
取り木を切り離すときのハサミで切る位置は、発根している場所より少し下にすることで、植え付けたときに倒れることを防ぎます。
次の植え替えで残した枝をキレイに切り取ります。
取り木の大きさに対して根の量が十分ありますので、先端のつぼみが開花することが期待できます。
根の状態を見ると取り木は大成功です。
不要な枝を剪定して駄温鉢に植え付けます。根の量がちょうどよく、そのまま植え付けて大丈夫そうです。
赤玉土の小粒を駄温鉢に追加します。
椿のミニ盆栽の完成です。取り木で作ることでつぼみのある小さな椿になりました。冬に花が咲くことを願います。
植え付けの仕上げは水遣りです。鉢の底から流れる水が泥水から透明な水になるまで、たっぷり水遣りします。
植え付け後は明るい日陰で管理します。葉やつぼみの状態を確認しながら、水切れしないように注意します。
取り木を切り離して小さな鉢に植え付ける②
椿(ツバキ)の取り木は2つしました。2つ目は枝分かれがあり、つぼみが多くついています。2つ目も発根していますが、1つ目の先端に比べると根の量が少ないです。
切り離して確認すると、樹を大きさに対して根の量が少ないです。つぼみが多くありますが、開花できるか?心配です。
根の状態を見ると発根後の成長が不十分です。切り離さないことも考えましたが、どのくらいの根の量で枯れることなく取り木が成功するか?確認するために植え付けることにしました。
素焼きの鉢に取り木を植え付けます。根の量が少なく倒れる可能性があります。
斜めに植え付けることで、倒れることを防止します。
赤玉土の小粒を追加して、幹を用土の中に埋めることで安定させます。
つぼみがたくさんある椿のミニ盆栽ができました。
取り木で作った椿(ツバキ)のミニ盆栽
栽培の記録はこの記事を更新します。
親木である椿(ツバキ)の鉢植えは樹高が小さくなりました。もう1回取り木して、もっと樹高を小さくする予定です。
ホームセンターなどで販売されている苗木は、大きなものが多いですが、取り木をすることで無駄なく活用できます。
|
|
0 件のコメント :
コメントを投稿