和風の一戸建てに椿(ツバキ)の庭木をよく見ます。とても身近な樹木ですが、最近の洋風の家には、ちょっと似合わないかもしれません。スペースの問題から樹形が縦に長い樹木が人気があります。
椿(ツバキ)は常緑で日向でも日陰でも栽培することができ、成長が遅いので庭木にとても適しています。病害虫も少なく、美しい花が咲いている期間が長いことが魅力です。
小さな鉢植えで育てることができれば、どこでも置くことができます。マンションのベランダでも大丈夫です。鉢植えなら気軽にはじめることができます。
椿(ツバキ)の育て方の基本を確認しましょう。
椿(ツバキ)は日本原産の樹で、暑さや寒さに強く、栽培しやすい樹です。基本を確認して、美しい花を楽しみましょう。栽培に適した置き場所
風通し・日当たりのよい場所で育てます。強い日差しに注意して、5月ぐらいからは半日陰、夏は明るい日陰がよく、特に暑い時期の西日が当たらないようにします。寒さに強く、積雪が少ない地域では屋外で大丈夫です。冷たい乾燥した風が当たらない場所がよいです。積雪が多い地域では軒下などに置き、用土が凍結する場合は保護する必要があります。
鉢植えで適した用土
水はけ(排水性)がよく、肥沃な弱酸性の用土が適しています。赤玉土、鹿沼土、腐葉土を同じ量で混ぜた用土を使います。アルカリ性になると葉が黄色くなります。鹿沼土のpHは4~5で酸性です。鹿沼土を混ぜることでアルカリ性になることを防ぎます。日本は酸性の雨が降るので、屋外では酸性の土壌になりますが、地植えではコンクリートなどの影響でアルカリ性になることがあります。
鉢植えは水遣りが必要です。
水をとても好む樹なので水切れに注意しましょう。春と秋は1日1~2回、夏は1日2~3回、冬は2~3日に1回ぐらいを目安に、土の表面が乾いたら鉢の底から水が流れるまで、たっぷり水遣りをします。美しい花が咲くための肥料
一番大切な肥料は、花が終った後にお礼肥として緩効性肥料や油かすを与えることです。樹を回復させて元気に成長できるようにします。6~7月は花芽ができる時期で肥料を与えません。肥料があると葉芽が増えます。椿(ツバキ)は常緑樹なので1年中肥料を与えますが、寒い時期は樹が成長しないので、肥料は少なくします。花を確実に咲かせるには、開花前の寒い時期にリン酸肥料を与えます。
植え替え・植え付け時期
椿(ツバキ)の植え替え・植え付け時期は、花が終わった3月~6月と秋季の10月~11月です。花の時期は品種によって違いがあります。常緑樹なので、気温が安定する4月の下旬ぐらいが一番よい時期です。椿(ツバキ)の苗木を鉢に植え付ける方法
どこでも手に入る庭木用の苗木
椿(ツバキ)の苗木は、秋から冬にホームセンターや園芸店で販売されています。つぼみがあると安心して購入できます。どのような花か?確認したい場合は開花している苗木を購入します。ネット通販は、1年中購入することができます。鉢植えにするので、小さい苗木がよいです。苗木は小さいほうが価格が安く、気軽にチャレンジできます。
椿(ツバキ)の鉢植えが販売されていますが、価格が高く、種類が少ないので、どこでも販売されていて手に入りやすい庭木用の苗木を鉢植えにします。
購入した苗木は、ホームセンターで値引き販売されていたものです。新芽が芽吹いた5月に購入しました。売れ残った苗木を値引き販売するホームセンターや園芸店を見つけて、月に1回ぐらい行くようにしています。
どのような鉢を選ぶか?鉢植えの楽しみです。
苗木を植え付ける鉢を用意します。素焼きの鉢、プラスチック製、陶器製の植木鉢など、たくさんの種類から鉢を選ぶことは楽しみの一つです。ホームセンターや園芸店で実物を見たり、ネットの通販で探すこともできます。どのような鉢が椿(ツバキ)に似合うか?探す前にイメージすると探しやすいです。
ネットで「椿(ツバキ) 鉢植え」で検索して通販のサイトに贈答用の美しい椿(ツバキ)の鉢植えの写真を見ることができます。どのような鉢に植え付けてあるか?確認すると選ぶ鉢をイメージすることができます。一番大切なことは、鉢の色を決めることです。
用意した鉢は縦に長いラッパ型、濃い青色の光沢がある鉢です。 欄(らん)の栽培に使われる鉢です。近所の人から使わなくなった鉢をたくさん頂いて、そのなかの1つです。椿(ツバキ)は葉の色が濃い緑色なので似合いそうです。
苗木をビニールポットのまま鉢に入れて、 イメージを確認します。
少し離れて見ると、全体の雰囲気を確認することができます。
底に大きな穴があり、内側は釉薬がなく素焼きのままです。釉薬があると通気性が悪くなるので盆栽鉢などは外側だけが釉薬のあるキレイな陶器になっています。
鉢底ネットを入れます。
鉢の底から2~3センチぐらい鉢底石を入れます。水はけ(排水性)がよくなります。鉢底石は種類がたくさんありますが、どのようなものでもよいです。
用土を混ぜて、鉢の準備をしっかりする。
赤玉土の小粒を使いました。赤玉土は種類がたくさんあり、どの商品を購入すればよいか?難しい問題です。量が多いほうがお買い得になりますが、残った赤玉土を保管する場所が必要になります。ネット通販では送料が高く、ホームセンターは安い商品がありますが、車がないと運ぶことが大変です。
高価な商品は品質がよいです。赤玉土の品質は、粒の大きさがキレイにそろっていること、硬質で耐久性があることです。粒の大きさはふるいにかけることでそろえることができます。
耐久性は2年ぐらいで植え替えをする場合は安い商品で大丈夫です。盆栽用の高級な赤玉土は4~5年ぐらい植え替えをしない場合に効果があります。
腐葉土を鉢植えで使う場合は、形のある葉や枝を取り除き、塊を崩して使います。
あまり使うことがない鹿沼土はビニールの袋が日に焼けています。椿(ツバキ)の用土は酸性の土壌がよいので鹿沼土を使いますが、日本の土壌は酸性で雨も酸性なので、アルカリ性になることはなく、鹿沼土を絶対に使う必要はありません。
長期在庫の鹿沼土があったので使いましたが、赤玉土と腐葉土を2:1の割合で混ぜた用土や普通の培養土でも栽培することができます。
用土を混ぜて作るときに、土入れと大きな鉢の受け皿があると便利です。
混ぜる割合を土入れで量ることができます。椿(ツバキ)の用土は赤玉土、鹿沼土、腐葉土を同量、1:1:1の割合で混ぜるので、土入れに1杯ずつを混ぜて用土を作ります。
価格の安い腐葉土は大きな木くずや塊があるので、木くずを取り除き、塊は崩してから使います。高級な腐葉土を買ったことがないので、わかりませんが、木くずが少ないのだろうか?
鹿沼土も土入れに1杯、長期在庫の鹿沼土は、なぜか細粒です。挿し木用に買ったのだろうか?
赤玉土も土入れに1杯、椿(ツバキ)は根が細いので小粒がよいです。
3種類の用土を大きな鉢受け皿に入れます。
小さなスコップで均一になるように混ぜます。
椿(ツバキ)の用土ができました。鉢の大きさに合わせて用意する用土の量が違います。同じ容器を使うことで、どのくらいの量が必要か?わかるようになります。
準備した鉢に混ぜた用土を入れます。
鉢の深さの半分くらいまで用土を入れます。根の大きさによって違いがありますが、半分くらいが目安です。
植え付ける鉢の準備をしっかりしてから、苗木を植え付けをします。根は乾燥に弱いので、できる限り早く植え付けを終わることが望ましいです。
苗木を取り出し、鉢に植え付ける。
植え付けに必要な道具は、ハサミ、竹串、植え替え鎌の代わりにナイフです。苗木の土と鉢の隙間にナイフを入れます。取り出しやすくなります。「植え替え鎌」「植え替えナイフ」などの専用の道具がありますが、食器のナイフで十分に使うことができます。
根の状態は、あまりよくなく根詰まりに近い状態です。小さなビニールポットの苗木は、このような状態が普通です。
表面の土が硬く固まっています。竹串で土を崩すことができません。
100円ショップ(百均)のシリコン製の菜ばしは反対側が小さなフォークになっています。「根かき」「根さばき」などの専用の道具の代わりになります。
表面の土がとても固い場合はステンレス製のフォークを使います。園芸用品は専用の道具がありますが、身近なもので代用できます。
根が長く伸びて絡まっていたので、水で根洗いしてキレイな状態にします。 一般的な苗木の植え付け方法では「土を1/3~半分くらい崩して新しい鉢に植え付ける。」と説明してあります。
根洗いは土をすべて取り除く方法です。枯れるリスクがありますが、土を崩すときに根の状態が悪いような気がしたので根洗いしました。
根洗いすると細い根が土を一緒に切れてしまいます。根の量が少なくなりました。植え付け後の管理をしっかりする必要があります。
根の状態がよくないと感じたのは、底から伸びる太い根がビニールポットの側面に当たり、上向きに伸びていることが原因でした。この太い根の先端から細い根がたくさん伸びています。
上向きに伸びる太い根を剪定しました。根の量がとても少なくなり、ちょっと心配です。椿(ツバキ)の苗木は樹高が50センチぐらいあります。これだけの量の根で大丈夫だろうか?
春の植え付けで新しい根が伸びることを期待します。樹高を半分に短くすれば根の量とバランスが取れて、枯れる可能性が低くなります。
根を剪定した苗木を準備した鉢に入れます。注意することは幹の土に埋まっている位置です。幹の色が違うので、どこまで土に埋まっていたか?わかります。
この土に埋まっていた位置を変えないことです 。盆栽で根を土から出して根張りをよくすることがありますが、樹に負担があります。
最後の表面の土は赤玉土だけにするとキレイになります。根の隙間に用土が入るように竹串を挿します。
植え付けの仕上げは水遣りです。鉢の底から流れる水が始めは泥水ですが、透明な水が流れるまで、たっぷり水遣りをします。
根の量が少なくなったので、苗木を斜めに植え付けました。
支柱を使って苗木を固定します。まっすぐに植え付けると支柱で固定することが難しいので、斜めに植え付けると根元の近くで固定することができます。
古い葉を取り除いて、葉の量を減らしました。根を剪定したのでバランスを取るために葉も減らします。
明るい日陰で1週間から10日間ぐらい管理します。葉がしおれたりすると根からの水の吸収が不足しています。葉に直接水をかける葉水をするか、葉の数をもっと減らします。
椿(ツバキ)の鉢植えのこれからの栽培
小さな鉢植えで椿(ツバキ)の美しい花を楽しむなら、赤い線で太い幹を剪定します。下から2つの枝を残します。下から3番目の枝が少し太いので、幹がとても短くなりますが、太い幹に細い枝があるとバランスがよくなります。
幹の剪定をしないで、このままの樹高で育てます。1ヶ月ぐらいすると根も伸びて落ち着きます。ちょうど梅雨になる時期なので、取り木で椿(ツバキ)を増やします。
取り木は樹木を増やす方法です。幹の樹皮をはぎ取り、水苔や用土で覆います。一番上の枝の下ぐらい、赤い線で取り木すると幹が太くすぐに花が咲きます。
失敗しても、赤い線より上が枯れるだけなのでリスクがなく椿(ツバキ)を増やすことにチャレンジできます。成功できたら、小さな椿(ツバキ)の鉢植えで美しい花を楽しむことができます。
梅雨になり、取り木をした様子は、この記事を更新します。できるだけ早く記事が書けるようにがんばります。
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