藤の花をゆっくり観賞したい。
藤の花のイメージは藤棚からたくさんの花が垂れ下がる風景です。ひとつの房にたくさんの小さな花があり、豪華なのに気品があり、とても美しいです。4月中旬から5月は、花が満開の藤棚がある観光地は、とても人気があります。夜にライトアップされた藤棚は幻想的な景色です。
美しい藤の花をゆっくり観賞したい。自宅で藤を栽培すれば藤の花を楽しむことができます。藤棚は広い庭が必要ですが、鉢植えで藤の花を楽しむことができます。
藤の育て方の基本
日当たりのよい場所に置きます。夏は西日を避けて葉焼けを防ぎます。暖かくなって、つぼみが膨らむ頃は霜に注意します。軒下などに置いて霜に当たらないようにします。水遣りは、春と秋は1日1~2回、夏は水切れに注意して朝と夕方に2~3回。冬は3日に1回ぐらいです。水を好む樹なので、たっぷり水遣りしてください。
肥料は花が終わってからのお礼肥と成長期の間に月1回を目安に油かすなどを与えます。梅雨から夏は肥料を控えます。チッ素の多い肥料は葉がたくさん茂り、花芽が少なくなる原因になります。
植え替え時期は落葉後か春の芽吹き始めです。落葉後の植え替えは冬の管理が必要になるので、春の植え替えが簡単です。2年に1回、植え替えをします。
藤の苗木を購入して、状態を確認する
ホームセンターで購入した藤の苗木です。藤は4月から5月に花が咲くので、3月末ぐらいから店頭で販売されています。ネット通販では1年中、販売されています。苗木の選び方は、葉芽や花芽がたくさんあること。接ぎ木なので接いである部分がきれいな苗木がよいです。
花芽が大きく膨らんでいます。確実に花が咲くので、とても満足して購入できました。暖かくなって花芽が膨らんだ時期に霜が降りると、花芽が枯れることがあります。霜注意予報が出たときは軒下などで保護しましょう。
花が咲いている時期はたっぷり水遣りをして水切れに注意します。根詰まりしている状態でたっぷり水遣りをすると根腐れが心配になります。
根腐れを心配しながら水遣りをすることは苦痛です。花が咲きそうですが、植え替えをすることにします。
土の表面を竹串で突くと、とても硬く固まっています。水遣りをしても土に水がしみこまずに、鉢の内側と土の間に水が流れます。完全に根詰まりしています。
植え替えをしたくない場合は、土の表面を竹串などで突いて、やわらかくします。その後、竹串を深く挿すと水が流れるようになり、根腐れの心配が減ります。
藤の鉢植えの植え替え
新しい鉢はどのようなものにするか?
植え替えをするために鉢を用意します。藤の苗木の鉢は5号(直径15センチ)です。新しい鉢は少し大きな6号(直径18センチ)か7号(直径21センチ)がよいです。新しい鉢に藤の苗木を入れると、植え替え後をイメージすることができます。鉢は号数で直径を表しますが、高さはいろいろなものがあります。
新しい鉢は6号(直径18センチ)のスリット鉢です。八角形で底にスリットがあり、根が鉢に沿って巻くサークリングを防ぐことができます。根がキレイに張って、植物の成長がよいことがメリットです。
栽培を重視してスリット鉢にしました。ライフスタイルによって「どのくらい管理することができるか?」に違いがあります。朝の水遣りはできるが、夕方は難しく夜になることがある場合は、夏の水切れが心配です。
日陰に置いたり工夫をしますが、浅い鉢は用土の量が少なく水切れしやすいです。スリット鉢は深さがあるので、いろいろな対策をすれば、朝と夜の水遣りで夏の水切れを防ぐことができます。
用土の準備
用土は赤玉土と腐葉土を用意しました。赤玉土:腐葉土を7:3の割合で混ぜた用土を使います。 藤の鉢植えの用土は、いろいろな情報がありますが、一般的な用土で問題なく栽培することができます。藤の鉢植えでは、夏の水切れが一番注意することなので、一般的な用土なら乾き具合がわかりやすく、水遣りが簡単にできます。
鉢の底に底石を2~3センチ入れて排水性をよくします。底石はどのようなものでもよいです。写真の底石はボラ土(日向土)です。
赤玉土をスコップで3杯と半分くらい入れました。
次に、腐葉土をスコップで1杯と半分入れます。これで、赤玉土:腐葉土が7:3の割合の用土になります。
赤玉土と腐葉土が均一になるように混ぜて、植え替えの準備が終わりです。苗木を入れる前に入れる用土の量は鉢の底から1/3ぐらいです。
藤の苗木を取り出す
藤の苗木を黒い鉢から取り出します。用意する道具は、竹串、フォーク、ナイフなどです。竹串は突いて土を取り除きます。フォークは盆栽道具の根捌き(根掻き)、盆栽熊手(レーキ)の代用品です。 ナイフは、植え替え鎌、植え替えナイフの代用品として使っています。
100円ショップ(百均)で購入することができるもので、盆栽の植え替え道具の代用品になります。専用の道具より使いにくいかもしれませんが、あると便利です。
鉢底に根が伸びています。
伸びた根をハサミで切ります。
鉢の底から伸びた根をキレイに切りました。この作業をしないと根が鉢底の穴で固定されて、苗木を鉢から取り出すことができません。無理に引き抜くと根が切れます。忘れがちな作業なので注意してください。
鉢の内側と土の間にナイフを入れて、藤の苗木を土と一緒に鉢から取り出します。
ナイフを底まで挿して横に動かして1周します。根詰まりがひどく、横に動かすことができません。ナイフを抜いて、底まで挿す作業を繰り返して1周しました。
鉢がプラスチック製なので少し変形させて、どうにか藤の苗木を取り出すことができました。根詰まりの程度は、かなりひどい状態です。
土を落として根の状態を確認する
土を落としたいですが、とても硬くて竹串では難しく、フォークを使いたいですが太い根があり、傷つける心配があります。藤の根は、とても太い根から細い根がたくさん伸びています。藤は根をできるだけ切らないほうがよい樹木です。細い根は少し切っても大きな問題はありませんが、太い根は切らないようにしましょう。
バケツを用意して、水で土を流して取り除きます。盆栽の根洗いです。
シャワーの水流で土を流します。
水にしばらくつけて、土が軟らかくなってから竹串で土を取り除きます。
土をキレイに取り除き、根の状態を確認することができるようになりました。
根の剪定をしました。長い根を短く切り、向きが悪い根は根元から切りました。
たくさんの根を剪定したので、来年は花が咲かない可能性があります。根詰まりして枯れることが心配なので、花よりも元気に栽培できることを選びました。
藤の苗木の植え付け
根を剪定した藤の苗木を用土を入れて準備したスリット鉢に入れます。太い根を切らずに植え付けることができそうです。植え替えの最後の仕上げは水遣りです。たっぷりと水遣りをします。鉢の底から最初は泥水が流れます。水遣りを続けて、流れる水が透明になるまで必ず水遣りをしてください。
微塵(土の小さな粒)を洗い流すことで、排水性がよくなります。植え付けた時だけに効果があります。微塵が途中で固まりになって流れなくなるからです。
植え替え後は、1週間から10日ぐらいは明るい日陰で管理します。根から水分を吸収する力が弱くなっているので、直射日光は樹の水分を奪います。
藤の花、つぼみから開花までの記録
3月27日 撮影。藤のつぼみが膨らんで開花するまで写真撮影します。写真で記録を残すことで、今後の栽培に役に立つことがあります。日付を書いていますが、福岡県の沿岸部で温暖な気候です。日本は地域の気候の差が大きく、同じ地域でも沿岸部と山間部では最低気温など気象条件に大きな違いがあります。
先端に2つと中間に1つ、大きなつぼみがあります。この3つのつぼみが開花して満開になるまでを写真撮影して記録として残します。
3月29日 撮影。2日間でつぼみが大きくなりました。植え替えをした影響の可能性もあります。
植え替えをして、根詰まりが改善されて藤の樹が元気になり、つぼみが大きくなったか?根を剪定されたことから命の危険を感じ、子孫を残すために花を咲かせようとがんばっているか?
つぼみが大きくなり、葉芽も膨らみ芽吹き始めました。葉芽が膨らみ始めたことから植え替えは成功したことが確認できます。春の植え替えは葉芽や花芽の状態から樹の状態を知ることができます。
4月1日 撮影。藤のつぼみが長く伸びました。少し下に垂れて藤の花をイメージすることができるようになり、とてもうれしいです。
中間にある大きなつぼみの横にあった小さなつぼみも大きくなりました。この位置から2つの藤の花が咲きます。
4月13日 撮影。1つ1つの小さな花が、ハッキリとわかるようになりました。開花を待つ状態になりました。
一番根元の花が開花しています。上に開いた花びらは白色に薄い紫、真ん中に黄色があり、閉じている花びらは美しい紫色です。
4月18日 撮影。藤の鉢植えがとても豪華になりました。購入した苗木からは想像できないくらい立派な花が咲き、とてもうれしいです。
4月21日 撮影。先端までキレイに開花しました。ビオトープの木枠に置いていますが、先端が地面に届いています。
藤の鉢植えは、苗木の植え替えをしてキレイに開花することができました。藤の花を楽しむことができ大満足です。
花がとても長く伸びるので、鉢の置く場所を確保する必要があります。栽培を重視してスリット鉢に植え替えましたが、花を観賞すると鉢が見えるので立派な鉢にすると雰囲気がもっとよくなりそうです。
藤の鉢植えの花が終わった後の管理などを記事を更新します。来年もキレイな花が咲くように、しっかり栽培します。夏の水切れが少し心配なので、対策を考えます。
追記 2019.06.30
花が終わったら花がら取りをします。
藤の花が散り始めたら、花がら取りをします。花をそのままにすると種ができます。種を作るために栄養がたくさん必要になるので、成長や来春の花芽に影響があります。花がら取りは、花が散り始めたら根元からハサミで切って取り除くことです。来春も美しい花を楽しむために、花が終わったら、すぐにしましょう。
一番右の花は、まだキレイですが、先に開花した花が散り始めました。花びらが散って、掃除をする必要があるので、早めに花がら取りをするとよいです。
花がら取りは簡単です。花の根元には葉があります。先端の葉から2センチぐらいの所をハサミで切ります。
ハサミで切るだけです。
残った枝に葉が4つあります。このような短い枝の葉の根元に花芽ができます。とても簡単な作業ですが、来春の花の量が決まるので大切な作業です。
花後にお礼肥を与えます。
お礼肥(おれいごえ)は、花を咲かせた後や実がなった後に与える肥料のことです。すぐに効く即効性の化成肥料や液体肥料が効果的です。花がすべて咲き終わり、花がら取りをしました。葉がたくさん芽吹いています。お礼肥は樹の回復を助けるために与えます。
元気がよいので即効性の肥料は必要ないと判断して、普通の肥料を与えることにしました。花後に葉の芽吹きが少ない場合はお礼肥を与えます。
肥料は置肥をします。置肥は肥料の効かせ具合を調節することができます。土の上に置いて、水遣りのときに少しずつ水に溶けて根に肥料を与えます。
置く個数によって量を調節できます。梅雨時期は取り除くことができ、しっかり効かせたい場合は土の中に半分くらい埋めるとよいです。盆栽でよく使われる玉肥が定番です。
緩行性の化成肥料は無臭で虫がつきにくいことがメリットです。価格も安いものがあり、気軽に使うことができます。
鉢は6号(直径18センチ)です。玉肥を4個与えました。根元から少し離して均等に置きます。量は使う肥料の説明を読んで決めます。
4月の下旬にお礼肥を与えて、2ヵ月後の6月の下旬の藤の鉢植えです。葉がたくさん増えて大きくなりました。ツルは右に1つ伸びています。
春に苗木を購入して、美しい花を楽しみました。花がら取りをして、花後のお礼肥を与え、順調に成長しています。来春も美しい花を楽しむために、今後もしっかり栽培を続けます。
7月に夏の剪定をします。夏の水切れ対策などの様子を記事を更新します。
追記
藤の鉢植えを剪定
藤は成長が早く、大きくなります。鉢植えにしてコンパクトに楽しむために剪定が必要になります。落葉樹は冬の葉がない時期に剪定することが多いですが、藤は夏の終わり頃から花芽が作られます。冬に剪定すると先端に多くある花芽がなくなり、花が咲かなくなる可能性があります。
花芽が作られる前の夏に剪定をします。
一番長く伸びている右の枝を剪定します。枝には芽があり、花芽になる可能性があります。根元から3~5芽ぐらいを残して剪定します。
芽と芽の間隔が長くなると、樹形が良いないですので、間隔の短い部分で剪定するとよいです。
ハサミで枝を剪定します。芽の少し上(1~2センチ)を切ります。
剪定後。ちょっと長くなりましたが、芽の上の枝は枯れますので、心配することはありません。もう少し短いくらいが最適です。
長く伸びている枝を剪定しました。左の先端は取り木をしています。大きくならないように太い幹を剪定しますが、剪定するなら取り木にチャレンジしてみようと考えました。
藤の取り木の様子は別の記事に書きました。
藤を取り木して、小さな鉢植えを作る。
取り木に成功できれば、もっと小さな藤の鉢植えを作ることができます。元の鉢植えの樹高も小さくなりますので、 おすすめです。
秋から冬の藤の鉢植え
秋に取り木を切り離し、小さい藤の鉢植えになりました。11月になると藤の鉢植えは葉が黄色くなり、落葉し始めました。葉の根元にある芽は大きく成長しています。
特に大きな芽が花芽になる可能性が高いです。先端に大きな芽がありますので、この時期に剪定すると花芽がなくなります。
冬の間は葉がなくなり、水遣りも神経質になる必要がありません。積雪が多い地域は保護するほうが安心できます。
藤の育て方は難しいことはなく栽培しやすいですので、おすすめです。剪定をすることで小さな鉢を維持して、毎年美しい花を楽しみましょう。
藤の育て方のポイント
- 日当たり・風通しがよい場所で育てる。
- やや湿り気があり通気性がある肥沃な用土を好む。
- 水遣りは、表面の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は花後のお礼肥に油かすなど。
- 夏は水切れに注意して、西日が当たらない場所で管理。
- 植え付け・植え替えは、落葉している冬の2~4月が適しています。
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