満開の桜を鉢植えで楽しむ
桜の花は、暖かくなった春に美しく咲きます。自宅で満開の桜を楽しみたいと誰でも一度は思います。桜の樹は成長が早く大きくなるので、庭木として植えるには、広いスペースが必要です。庭木にすると、花びらや落ち葉の掃除が大変です。桜は害虫がつきやすく、消毒をする必要もあります。大きな樹は高い場所の剪定や消毒は難しいです。
桜の樹を鉢植えにできないか?と考えますが、桜の鉢植えを見ることが少ないです。鉢植えは樹が大きくならないように剪定します。桜は剪定すると、切り口から枯れることがあります。
品種を選んで鉢植えで桜を楽しむ
桜には、300種類ぐらいの品種があります。大きく成長しない品種を選んで、鉢植えで栽培することができます。一才桜(旭山桜)などが小さな鉢植えや盆栽で、よく販売されています。ベランダでの栽培が可能です。マメザクラ群の富士桜、豆桜、箱根桜なども大きく成長しません。
さくらんぼ(暖地桜桃)が一番お勧めです。
暖地桜桃は、さくらんぼとして苗木で販売されています。1本で結実するので人気がありますが、さくらんぼとは種が違います。「実がなる桜」と考えたほうがよいです。暖地桜桃のよいところは、ソメイヨシノのように花だけが先に咲きます。植えられている桜のほとんどがソメイヨシノなので、「桜は花が先に咲くもの」と思いがちですが、花と葉が同時の桜もたくさんあります。
剪定で枯れることが少なく、鉢植えで小さく栽培することができます。ホームセンターなどで苗木を購入することができ、東北から九州地方で栽培することができます。
写真の満開の桜は、栽培している樹高70センチぐらいの暖地桜桃です。直径40センチの鉢に植えて、3年が経過しました。植え替えの様子を詳しく説明しています。
桜の鉢植えの植え替え
桜のつぼみが膨らんでいます。桜の植え替えの時期は落葉してから花が咲く前です。開花の時期は品種によって違いがあり、地域の気候によっても大きな差があります。一般的には、12月~3月の間が植え替えの時期です。 つぼみが膨らみ始めた時期に植え替えをすると、その後のつぼみの様子で、植え替えが成功したか?確認することができます。
植え替えの周期は、2~3年で植え替えます。鉢植えでは、根詰まりしたり、用土が古くなって排水性が悪くなると、根腐れの原因になります。
鉢植えは大きなものになると、植え替えに消極的になります。樹が大きくて大変です。準備する用土の量が多くなり、処分する用土も増えます。
写真の鉢植えも2年目で植え替えをしようと思ってましたが、そのまま3年目になりました。樹が大きくて体力があるので、急に枯れたりすることが少ないことも理由の1つです。
今回は、絶対に植え替えをする必要があります。プラスチック製に鉢が劣化して割れているからです。直径40センチの大きな鉢は陶器製のものは高価で、重たいです。プラスチック製は安くて、軽いことがメリットですが、耐久性に問題があります。
桜の鉢植えの植え替えの準備
プラスチック製の鉢、同じ商品を準備しました。直径40センチで300円ぐらいで販売されているものです。色の違いから劣化していることがわかります。用土は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜたものを使います。
底石は価格の安いボラ土を使います。
プラスチック製の鉢の底の水抜き穴は、いろいろな形状があります。中央の網目状が広く、外周にスリットもあり、排水性がよさそうです。
底石としてボラ土を3センチぐらい入れました。
赤玉土を先に入れます。
腐葉土を追加しました。赤玉土の腐葉土を7:3の割合で混ぜます。スコップで7杯と3杯を入れました。
赤玉土と腐葉土を混ぜます。安い腐葉土は、塊があるので崩しましょう。大きな木くずは取り除きましょう。
木くずが栽培に大きな影響を与えることはないですが、次の植え替えまで3年間あるので、排水性が悪くなる可能性があるので、取り除きましょう。
用土の準備ができました。準備する用土の量は、樹の大きさを考えて少なめです。普通は、鉢の半分ぐらいまで用土を入れます。
樹の大きさは、現状維持で樹高70センチぐらいなので、鉢に半分ぐらいの用土の量にしています。
桜の樹を鉢から取り出す。
大きな鉢植えは、鉢から樹を取り出すことが難しいです。根についた土が重くて、樹の根元を持って引き抜くことが大変です。少しでも軽くなるように、最初に表面の土を崩して、取り除きます。盆栽では、小さな熊手で表面の土を崩します。ステンレス製のフォークで代用できます。
土と鉢に隙間ができるように、棒やナイフを深く挿します。盆栽の道具に植え替え鎌があります。専用の道具は使いやすいです。
プラスチック製の鉢なら、外側を軽くハンマーでたたくと、土と鉢に隙間ができます。
樹の根元を持って鉢の外周を押さえて樹を引き抜こうとすると、プラスチック製の鉢が割れました。劣化して一部が割れていたので、強度が弱くなっていました。
プラスチック製の鉢を割りながら、樹を取り出します。シートを敷いた上で作業すると、後片付けが楽です。
キレイに樹を取り出すことができました。プラスチック製の鉢はゴミとして捨てるときに、容量を減らすために破壊する予定だったので、手間が省けました。
3年間植え替えをしていなかったので、すべての土をキレイに取り除きます。
極端に太い根はなく、四方八方に広がって根の状態は悪くないようです。
水を使って、根洗いします。根が絡まっていると剪定が難しくなるので、土がなくなると根の状態がよく見ることができ、剪定するべき根がわかりやすいです。
根頭癌腫病になっていました。
根洗いして、残念なことがわかりました。根に大きなコブがあります。根頭癌腫病(コントウガンシュビョウ)です。土を取り除くときに、大きな塊があることはわかりましたが、大きなコブになっています。果樹によく発生する病気です。植物では珍しい細菌性の病気で、根にコブができ、そのコブを栄養にして繁殖します。この病気だけで木が枯れることはありませんが、樹勢が弱くなり他の病害虫が発生して、木が枯れることがあります。
完治することは難しく、根頭癌腫病になった樹は処分するしかないようです。病原菌が他の樹に伝染することを防ぐために、用土も処分します。使用した道具も他の樹に使うことで伝染するようです。
根の先端にコブができているので、根をハサミで切りコブを切除します。
大きなコブが3つと小さなコブが1つありました。
一番大きなコブは、7.5センチぐらいもあります。3年前の植え替えのときは、なかったので3年間で増えたコブです。
桜の根を剪定して、鉢に植え付ける。
根の剪定をしました。長い根は短く、向きの悪い根は根元から切りました。 桜は、枝の剪定と同じように、切り口から枯れやすいです。あまり太くない根は大丈夫ですが、太い根を切ると切り口から枯れることがあります。太い根は剪定しないほうがよいです。
用土を入れます。樹の根元の位置が変わらないようにします。表面の土は赤玉土だけにすると、見た目がよく、水通りがよくなります。
植え替えの仕上げは、水遣りです。鉢の底から流れる水が、最初は泥水ですが、透明な水が流れるまで、たっぷり水遣りをします。
植え替え後は、明るい日陰で1~2週間ぐらい管理します。表面の土が乾いたら、たっぷりと水遣りをします。その後は、日当たりがよいところでつぼみが膨らんで開花することを楽しみに待ちます。
植え替えをしたことで、根詰まりがなくなり、排水性が向上して根腐れの心配もありません。鉢植えは植え替えが必要ですが、根を見ることで樹の状態を把握することができ、今後の栽培の参考になります。
暖地桜桃の桜の鉢植えの開花から満開、花後の管理についての記事を書く予定です。3月上旬ぐらいが開花の時期で、一般的な桜よりちょっと早いです。
自宅で満開の桜を楽しむことができるように、植え替えをして元気の育てます。開花の報告ができることをとても楽しみにしています。
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