梅の盆栽 植え替えの時期
美しく満開になった梅の盆栽。一番寒い時期を過ぎて、春が近づいていることを感じさせてくれます。満開を長く楽しみたいですが、梅の盆栽は、花が咲いた後に植え替えをします。「花が咲いた後」を「花後」と表現します。地域の気候によって違いがありますが、2月中旬から3月の中旬ぐらいの時期です。
花後の時期にできなかった場合に、どうしても植え替えが必要なら秋にも植え替えをすることができます。秋に植え替えしたら、寒い冬はムロなどで保護しましょう。
花後の植え替えがよいです。植え替えをした後に葉が芽吹くので、植え替えがうまくできたことが確認できます。秋にすると、花芽が膨らむことで確認できますが、冬の保護の状態や花芽がどのくらいあるかによって判断が難しく、心配になることがよくあります。
梅の盆栽の植え替えは、花後にします。
植え替えのために花を取り除く
梅の盆栽は、たくさんの花をつけたり、開花の期間が長くなると樹の体力を消耗します。樹の生長を重視する場合は5分咲きぐらいで花やつぼみを取り除きます。十分な数の枝があり、樹を大きくする必要がない場合は満開を数日楽しんでから、植え替えのために花を取り除きます。
花を取り除くことなく、満開の梅が花びらが散っていく様子を楽しむと、子房、雄しべが残っているので、結実して樹の負担になります。
梅の盆栽は、花の観賞を楽しむ花ウメなので、実は大きくなりませんが結実します。このことを知らないと、最悪の場合は樹が枯れることもあります。
花びらが散った後は、ガクと子房、雄しべだけになります。これらを取り除くことを「花がら摘み」と呼びます。梅の盆栽では、必要な作業です。
花を取り除く 実践編
写真の枝の一番先端は、「花芽と葉芽」、2番目は、「葉芽だけ」、4番目の花びらが散った花は、「花芽だけ」になります。
「花芽だけ」の場合は、つぼみが膨らんで花が咲いているので、根元から花を取り除きます。「葉芽だけ」の場合は、何もしないで、そのままにしておきます。
「花芽と葉芽」の場合は注意が必要です。梅は花柄がとても短く、隣にある小さい葉芽を傷つけないように注意して、花だけを取り除きます。枝の一番先端の花を取り除きました。ピントがずれていますが、葉芽が残っています。
1箇所に花芽が2つあり、キレイに開花しています。真ん中に葉芽があります。
注意して花を取り除き、真ん中の葉芽を残すことができました。枝の先端付近の葉芽は、失敗しても枝を短く剪定すればよいですが、根元付近の葉芽は、葉が芽吹いて新しい枝になると、間隔の詰まった枝分かれができて樹形がよくなります。
先端の花で練習をして、根元付近の花は、葉芽を傷つけないように特に注意して、花を取り除きましょう。
花を取り除くと掃除が楽になります。
花を取り除いている途中の写真です。一枝ずつ先端から花を取り除きます。花を取り除く作業が終わりました。幹と枝だけになりました。盆栽では、花を取り除いたり、落葉する前に葉を切り取ったりしますが、メリットは花びらや落ち葉の掃除をする必要がなくなります。
小さな盆栽ですが、花びらや落ち葉で、庭が汚れたり、ベランダでは排水口を詰まらせることがあります。取り除くことで掃除が楽になります。
梅の盆栽の植え替えの方法
梅の盆栽を鉢から取り出します。根の状態を確認すると、新しい白い根が少し伸びています。ちょうど根が動き出したところです。満開を観賞した直後で根が動いています。花が散るまで待つと、新しい根が増えているので植え替えすると樹の負担が大きくなります。
根が動く前に植え替えをするとよいです。植え替えをするときは、満開になる前ぐらいで花を取り除くと最適な時期になります。
ちょっと太い根が横向きに伸びていることがわかります。このような根を剪定します。樹形は根の影響が大きく、よい樹形に仕立てために太い根を剪定して、細い根を増やします。
普通は、根を剪定しながら土を崩しますが、根洗いすることで根を残したまま、土をキレイに落として、根の状態を確認します。
根が鉢の形に沿って伸びているので、思っているより長く伸びています。ちょっと太い根は残すと成長して太くなります。太くなる前に剪定するほうが樹の負担になりません。
固まっている根をほぐして、下から見ます。ちょっと太い根がたくさんあることがわかります。太い根をすべて短く剪定します。
下から見ると、幹の真下を確認することができます。幹の真下は水遣りをしても水の流れが悪く、土が泥のようになっていると、根腐れの原因になります。幹の真下の土を取り除き、キレイな状態になっているか確認しましょう。
根の剪定が終わりました。盆栽の根の剪定は、たくさん根を切るので、初めて見ると心配になります。樹の種類や状態によって剪定する量が違い、知識と経験が必要になりますが、長い根、太い根、黒い根の剪定をしっかりすれば、大きな問題はありません。
駄温鉢に植えます。根の量に対して、鉢が少し大きいです。夏の水遣りのことを考えると、鉢が少し大きいと管理が簡単です。
植え替えに使う土は、赤玉土:桐生砂を8:2の割合で混ぜた用土が一般的です。 腐葉土などを混ぜることもあります。
植え替えの最後の仕上げは、水遣りです。底から流れる水が最初は泥水ですが、透明な水になるまで、たっぷり水遣りをします。
梅の盆栽の植え替え後の管理
花後の植え替えをした梅の盆栽。このときに枝の剪定をすることが一般的です。枝の根元から葉芽を2つ残して、短く剪定します。
言葉では簡単に書いてありますが、実際に枝の剪定をすることは難しいです。がんばって植え替えをして、「うまく植え替えることができたか?」、ちょっと心配しながら毎日観察しているでしょう。
枝の剪定に自信がない、不安がある場合は、葉が芽吹き始める4月ごろに枝の剪定をすることをお勧めします。この記事の梅の盆栽を使って、葉が芽吹き始めてから枝の剪定をします。剪定の様子の記事を書きます。
梅の盆栽は、日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。植物の基本の栽培場所ですが、最適な場所が少ないことがよくあります。
自宅で栽培に利用できる場所は限られています。棚などを利用して、鉢の置くスペースを確保しましょう。少し高い位置のほうが風通しがよくなります。
今後の梅の盆栽の管理は、肥料と枝の剪定です。九州の福岡県での栽培なので、少し早い時期に作業ができます。できるだけ早く記事を書くようにしたいです。来年の冬に美しい花を楽しむために、梅の盆栽の栽培をがんばります。
枝の剪定をしたので、記事を更新しました。
梅の盆栽の剪定
梅の盆栽は、花が終わった後に枝の剪定をします。緑色の枝が前年に伸びた枝です。この緑色の枝を短く剪定します。「なぜ?剪定をしなければならないか?」理由をしっかり理解することができれば、簡単に梅の盆栽の剪定をすることができます。葉芽をしっかり確認するために、少し芽吹き始めた時期に剪定をしました。花後は葉芽が小さいので心配になります。安心して剪定することができるのでお勧めです。
剪定をしないと、どのような樹形になるか。
梅は新しく伸びた枝に花が咲きます。緑色の枝に花が咲き、葉が芽吹きます。写真の緑色の枝は、1年後は茶色になります。葉が芽吹き、そこから新しい枝が伸びます。先端がよく成長するので、このまま剪定をしないで、枝が伸びると写真の青色の線が新しい枝の予想です。そして、青色の線に花が咲きます。
枝が間延びして、梅の盆栽が大きくなります。鉢の大きさや幹の太さとのバランスが悪くなり盆栽としての魅力がなくなります。
梅の盆栽の枝の剪定を実践する。
枝を間延びさせないように、葉芽を根元から2つ残して枝を剪定します。赤い丸で囲んだ葉芽です。この枝には4つの葉芽がありますが、上の2つの葉芽は大きくて芽吹きそうです。植物は先端を成長させようとします。
赤い丸で囲んだ下の2つの葉芽は、葉は芽吹きますが枝になる可能性は低いです。枝を剪定することで、下の2つの葉芽が大きくなり枝を伸ばすようにします。
下の2つの葉芽を残して枝を剪定しました。葉芽の5ミリ~1センチぐらい上で剪定します。
葉芽から枝が伸びて、花が咲くイメージです。梅の盆栽の大きさを維持してまま、枝が増えます。枝が増えると花の数も増えるので、来春は満開の花を楽しむことができます。
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