桜の花を小さな鉢植えで楽しむ
春が近づいてくると、ホームセンターや園芸店の店頭で、桜の小さな鉢植えが販売されています。桜の花は、季節感があり、寒い冬の終わりと暖かい春の訪れを実感させてくれます。小さな鉢植えなら、自宅で桜の花を楽しむことができます。購入した年は、つぼみがたくさんあり、きれいな花や新緑を楽しむことができたでしょう。
2年目の春も美しい花を楽しむために、植え替えをすることをお勧めします。小さな鉢に植えているので、根詰まりする可能性が高く、最悪の場合、根腐れして枯れることもあります。
旭山桜のミニ盆栽を使って、植え替えの方法を説明した記事です。ポイントを確認すれば、簡単に植え替えができ、春に美しい花を楽しむことができます。
桜の小さな鉢植え、ミニ盆栽の植え替え
春に美しい花を咲かせ、夏は緑の葉を茂らせ、秋には紅葉した葉を楽しむことができる桜の小さな鉢植えも、寒くなると落葉します。よく観察すると、つぼみがあります。落葉している間に植え替えをしましょう。植え替え時期は、落葉してすぐにします。本格的に寒くなる前に植え替えをして、冬越しさせます。
植え替えに対しての不安、失敗して枯れる?
樹の鉢植えを初めて栽培する人、園芸やガーデニングの初心者は、植え替えに慎重になります。失敗して樹が枯れることが心配になるからでしょう。「元気に育っているので、まだ植え替えをしなくても大丈夫。」と考えますが、樹が元気がなくなり、弱った状態になると植え替えをすることができなくなります。
弱った状態で植え替えると、枯れる可能性が高くなります。元気な状態のときに、植え替えをして樹の状態を維持することが目的です。
植え替えに失敗したケースは、「樹の状態が悪くなり、病気ではなさそう。根詰まりか根腐れの可能性が高いから植え替えをしたが、枯れてしまった。」などが多いです。
樹が元気な状態で植え替えをすることが、植え替えを成功させる一番よい方法です。
植え替えのために準備するもの
植え替えをするために一番最初に準備するものは、植木鉢です。白い鉢は4.5号(直径13.5センチ)です。一回り大きい5号(直径15センチ)が最適なサイズです。写真の駄温鉢は6号(直径18センチ)です。ちょっと大きな鉢です。植え替えの楽しみは、新しい鉢をどのようなものにするか?選ぶことです。
植木鉢は、プラスチック製でもデザインのよいものが増えました。ホームセンターや園芸店では、スペースの問題から種類が少ないですが、ネット販売では種類がたくさんあり、選ぶ楽しみがあります。
新しい植木鉢に、樹を入れると植え替えたときのイメージができます。
桐生砂などを混ぜて最適な用土を作ることは、地域の気候や栽培条件などの経験が必要になり、とても難しいです。
植え替えの新しい用土を用意する
用土を作ります。赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜます。小さな鉢を使うと簡単に正確な量で混ぜることができます。赤玉土を2杯と1/3杯。1/3杯は、半分より少ないぐらいの量です。腐葉土を1杯。
バケツに入れると、混ぜやすいです。
百円均一の菜ばしの小さなフォークで混ぜます。安い腐葉土は塊があり、崩す必要があります。
全体が均一になるようにします。
安い腐葉土は、木くずが混ざっているので、できるだけ取り除きます。大きな樹なら、そのままで問題ありませんが、小さな樹では、取り除いたほうがよいです。
植木鉢の穴に、鉢底ネットを置きます。ずれることが心配な人は針金で固定しましょう。
2~3センチぐらい鉢底石を入れます。
赤玉土と腐葉土を混ぜた用土を3~4センチぐらい入れます。
植え替えの用土の準備が終わりました。植え替えるときに、根を乾燥させないために、できるだけ短時間で植え替えます。ここまで準備すれば、完璧です。
桜の樹を取り出して、根を剪定する
桜の樹、旭山桜の小さな鉢植え、ミニ盆栽です。樹を取り出すために、土と鉢の間に小さなフォークを入れます。ナイフも使いやすいです。盆栽では、専用の道具があります。植え替えナイフ、植え替え鎌などです。食事に使うナイフや封筒を開けるときに使うペーパーナイフで代用できます。
根の状態を確認します。少し根詰まりしています。
根が横に伸びているので、長い根がありそうです。黒い根は剪定します。白い根が健康な根です。白い根が少ないようです。土を取り除いて、根の剪定をする必要があります。
最初に、表面の土を崩します。割り箸や竹串が使いやすいです。菜ばしの小さなフォークは、とても便利です。
表面の土が固い場合は、水がしみこまないので、水遣りをしても、水が土と鉢の隙間から下に流れます。よくない状態です。土を完全に取り除きます。
土を取り除きました。長い根がたくさんあります。
向きが悪い根があります。下から上に伸びている根や右から左に伸びている根です。根は四方八方に広がるように伸びることが理想です。
木を逆さまにして、下から根を確認します。幹の真下はキレイにします。水遣りをしても水の流れがなく、排水性、通気性が悪い場所です。幹の真下の土が泥のようになると根腐れします。
黒い根、長い根、向きの悪い根を剪定して、植木鉢に入れて、根の長さを確認します。根の先端が植木鉢に届かないようにします。
剪定した根。根の量が少なくなりました。根が少なくなることは心配ですが、長い根が太く成長すると、剪定したときに負担が大きくなります。細いうちに剪定したほうが負担は小さいです。
根の状態は、普段は土の中で確認することができません。植え替えのときに、しっかり剪定して、次の植え替えまで、根の状態が悪くならないようにします。
新しい植木鉢に桜の樹を植え付ける
土を取り除き、根を剪定した桜の樹を植え付けます。樹の高さを確認します。用土は植木鉢のフチから2センチ下まで入れるので、根元の位置が用土を入れるくらいの位置になっているか?確認します。根元の位置が高い場合は、最初に入れた用土を減らします。低い場合は、根の下に用土を増やします。
準備した用土を根の周りに入れます。一度に入れず、数回に分けて入れます。
根の隙間に用土がしっかり入るように、棒で用土を軽く突きます。赤玉土は粒状になっているので隙間ができやすいです。百円均一の菜ばしは、先端はシリコン製で柔らかいので、根に当たっても傷つけにくいです。
表面の土は、赤玉土だけにすると、見た目がよいです。キレイな鉢なら化粧砂にすると、雰囲気がよくなります。コケも美しくてよいですが、肥料を置くときに困ります。
植え付けの仕上げは水遣りです。たっぷりと水をあげます。植木鉢の底から、最初は泥水が流れますが、水をあげ続けると、透明な水になります。透明な水が流れるまで、しっかりと水遣りします。
最初の泥水は、赤玉土の表面の土です。ミジンと呼ばれ、鉢の中にあると排水性が悪くなります。
寒い地域では、小さな樹は寒さに弱いので、ムロ(ビニールハウス)などで冬越しさせましょう。冬の水遣りは、2~3日に1回ぐらい、表面の土が乾いたら、鉢の底から水が流れるまで、たっぷりとあげます。夕方の水遣りは厳禁です。水分がたくさん残っていると寒い夜に凍ります。
桜の植え替えから満開まで
植え替えた桜の小さな鉢植え、ミニ盆栽をよく観察すると、枝の先端付近の樹皮にしわがあり、枯れている可能性があります。桜は剪定すると枝が枯れやすい樹木なので、太い枝は剪定をしないようにします。枯れた枝をそのままにしておくことは、よいことではありません。
枯れた枝を剪定して切り口に癒合剤を塗って、これ以上枝が枯れることを防ぎます。剪定の様子を詳しく別の記事に書きました。
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枯れた枝を剪定すると、樹高が半分くらいの10センチになりました。つぼみは枯れていないので花が咲く可能性はあります。
3月になり暖かくなると、つぼみが膨らんで緑色になりました。とても小さくなったので、花が咲くか?ちょっと心配でしたが、キレイな花が咲くことができそうです。
1つのつぼみから、3つの花が咲くようです。つぼみが大きく膨らんで開くと赤色のつぼみが3つあります。つぼみの色が濃い赤色ですが、花のどのような色になるか?とても楽しみです。
旭山桜が開花しました。薄い赤色の半八重のキレイな花が咲きました。小さな樹ですが、花の大きさは小さくなく、普通の大きさです。ちょっとバランスが悪いですが、花が咲いたことに大満足です。
満開の桜、とても豪華で美しいです。つぼみの数の3倍の花が咲くので、花が数が多くなります。小さな鉢植えの桜で、ゆっくり花見をすることができます。
花が咲いている期間は、水遣りをしっかりします。水切れすると花が早くしおれます。1週間ぐらいは花を楽しむことができます。
桜の鉢植えの花が終わった後の管理
満開の花が散り始めました。桜の花が散る様子は風情がありますが、小さな鉢植えでは花をそのままにしておくことは、よいことではありません。花にはめしべとおしべがあり受粉して結実します。桜の実は大きくなりませんが樹の体力をたくさん使います。
鉢植えは根の大きさが制限されているので、体力が減ると葉の芽吹きが弱くなり、翌年の花付きにも影響が出ます。
花が終わり始めたら花を取り除きます。「花がら摘み」の作業です。花が終わった花がらは病気の原因になることもあるので、早めに取り除きます。
桜の花は花柄(かへい)が長いので、花を取り除くことは簡単です。 花柄(かへい)とは花を支える茎のようなものです。桜は長くて梅にはありません。桜と梅を見分けることができます。
花を取り除くために花柄(かへい)を半分から1/3ぐらい残して、ハサミで切ります。根元にある緑色の小さな葉のようなものは残します。残った花柄(かへい)は自然に落ちます。
花を取り除きました。ここから葉が芽吹いて、新しい枝が伸びます。
取り除いた花です。まだ完全に枯れていませんが、早く取り除いたほうが葉の芽吹きがよくなります。
花がら摘みが終わりました。寂しくなりましたが、来年の花がキレイに咲くための成長の始まりです。たくさん葉が芽吹いて、光合成による養分で来年の花芽を作ります。
満開の桜の花を長い期間楽しみたいですが、この樹は半分枯れかけていたので、早く花を取り除いて回復を重視して栽培します。
桜の鉢植えに肥料をあげる
桜の鉢植えは花が終わった後に肥料をあげます。お礼肥(おれいごえ)です。いろいろな肥料がたくさんあり、選ぶことは難しいです。有機肥料や化学肥料など種類がたくさんありますが、玉肥が一番使いやすいです。普通の栽培だけなら玉肥だけで十分です。
鉢の土に玉肥を置きました。水遣りをすると玉肥が少しずつ溶けて、土の中に流れます。根の先端付近に流れるように、幹から離して置きます。
桜の肥料は、花後から7月までの時期に十分に与えます。真夏を除き、秋の9月から11月にも与えます。
桜の小さな鉢植え、旭山桜のミニ盆栽の植え替えから満開までのまとめ
- 植え替え時期は、落葉から本格的に寒くなる前
- 用土は、赤玉土:腐葉土を7:3の割合
- 古い土はすべて落として、長い根は剪定
- 植え替え後は、寒さ対策をして冬越し
- つぼみが膨らみ始めたら水遣りをしっかりすること
- 花がら摘みをして十分に肥料を与えること
これらのポイントを確認して植え替えをして、春に満開の美しい桜を楽しみましょう。
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