鉢植えで育てることができます。鉢植えでコンパクトに栽培すれば、移動することができ管理が楽です。生活に緑を増やして、季節の花を楽しむことができます。
この記事は、キンモクセイ(金木犀)の鉢植えの植え付けを詳しく説明しています。写真をできるだけたくさん使って、わかりやすいようにしました。参考にしてください。
キンモクセイ(金木犀)の植え付けの時期は、4~5月がよいです。花が終わった10~11月でも可能です。
キンモクセイノの植え付け 準備
苗木を購入、植木鉢の大きさ
キンモクセイ(金木犀)の苗木と植木鉢。苗木は、ホームセンター、園芸店、ネットで買うことができます。ホームセンターと園芸店では、夏から秋に販売されていることが多いです。秋に花が咲くので、花が咲く前ぐらいの苗木が販売されています。ネットでの販売は、季節に関係なく買うことができます。常緑樹なので、どの季節に買っても葉がキレイです。
鉢植えにするので、苗木の大きさ(樹高)を確認しましょう。1メートルぐらいまでの苗木にしましょう。大きな苗木は、植木鉢が大きくなり、移動することが難しくなります。
小さな苗木は、花が咲くまで時間がかかるかもしれません。今回の1メートルの苗木は、剪定をして少しずつ小さくする予定です。
花が咲いていたり、つぼみがある苗木なら、花が咲くことが確認できるので、安心できます。キンモクセイ(金木犀)は挿し木から5年、苗木の植え付けから2年ぐらいで花が咲くことが多いようです。
花が咲く植物の栽培で、一番の問題は花が咲かないことです。年数が不足して、もっと大きく成長させる必要があるのか?環境や用土、肥料が原因か?いろいろと悩むことがあります。
花が咲くことを確認できているので、咲かなかった場合は、年数ではなく、環境や用土、肥料を改善することができます。
植木鉢は、たくさん種類があります。キンモクセイ(金木犀)に似合う植木鉢を探すことも楽しみの一つです。栽培を重視するなら、素焼きの鉢、スリット鉢がおすすめです。
用土 植え付けに使う土
準備した用土は、赤玉土(中粒)、腐葉土、ボラ土(中粒)です。ボラ土は底石に使います。砂利や軽石、鉢底石でも同じです。すべて、ホームセンターなどで一番安いもので大丈夫です。少量しか使わない場合は、割高になりますが、百均でも販売されています。
植木鉢の底の穴に、鉢底ネットを置きます。百均で好きな大きさに切って使う鉢底ネットがよいです。鉢底ネットが穴の位置からずれることを気にしないようにかなり大きく切ります。
排水性をよくするために底石を2~3センチ入れます。
用土は、赤玉土(中粒)と腐葉土を使います。赤玉土は、小粒と中粒で迷うことがありますが、腐葉土を混ぜる場合は中粒がよいです。
高級な腐葉土(盆栽などに使う高価なもの)は、細かく、小粒の赤玉土とキレイに混ぜることができます。普通の腐葉土は、赤玉土の中粒ぐらいの大きさと混ぜると均一になりやすいです。
用土の基本は赤玉土です。赤玉土に砂や腐葉土を混ぜて使います。赤玉土7、腐葉土3に混ぜるので、小さな鉢を使うことによって適切な量にします。
4号(直径12センチ)のプラスチックの鉢で、ビニール袋の赤玉土を取り出します。赤玉土7、腐葉土3なら、鉢に赤玉土を3杯と半分、腐葉土を1杯と半分です。
腐葉土もプラスチックの鉢でビニールから取り出します。
植木鉢の大きさと必要な用土の量の目安は、7号(直径21センチ)で3リットル、8号(直径24センチ)で5リットルぐらいです。
植木鉢の形、底石の量、苗木の根の大きさによって、少しの違いはありますが、覚えておくと便利です。
赤玉土と腐葉土を菜ばしを使って混ぜます。百均のプラスチックの菜ばしです。スコップを使うと赤玉土が崩れそうです。ちょっと大きいバケツが便利です。混ぜるときにこぼれる心配がないです。
菜ばしを使うと、腐葉土の団子状になった塊を簡単に崩すことができます。腐葉土にある木くずを取り除くことも簡単です。
用土の準備ができました。キレイに均一に混ざっています。植え付けや植え替えは、準備をしっかりすると、樹木に集中することができるので、失敗が少ないです。
キンモクセイの苗木を植木鉢に植え付ける
キンモクセイの苗木を植え付けるために必要な道具は、洗面器、ハサミ、スコップ、棒、フォーク、菜ばしなど。できるだけ安いものを使っています。百均で買いました。小さなスコップは、ビニールポットと土の間に使いやすいです。百均の園芸コーナーにあります。ステンレス製なので、屋外に置いても錆びにくいです。
幹の横から、ひこばえが伸びています。幹の成長が悪くなることがあるので、根元から切ります。実験的にひこばえを取り木してみようと考えました。今回は、ひこばえを残すことにしました。
洗面器などの容器があると、取り出した苗木を入れて、土を取り除くときに便利です。
根の状態は、普通です。白っぽい根は生きている元気な根です。茶色より少し黒い根は枯れている根です。
苗木の土を崩します。表面の土は硬いことがあります。先の尖った菜ばしが役に立ちます。
とても硬いときは、フォークが使いやすいです。ステンレス製のフォークなら錆びにくく丈夫なので、1つあると便利です。
ある程度、苗木の土を崩してから、水で根洗いをしました。苗木は挿し木で作られたもので、土が挿し木に使う細かいもので、粘土状になっていたので、完全に取り除きます。
土がキレイになくなり、根だけの状態になりました。絡まっている根を伸ばして、長い根は、ハサミで切ります。
ビニールポットは小さいので、根がぐるぐる回っていることがあります。できるだけ四方八方に広がるようにして、植え付けると根の成長がよくなります。
苗木を鉢に入れて、植え付ける高さを確認します。写真では少し低いので、鉢に用土をもう少し入れます。根が均一に四方八方に広がって、大きさも植木鉢にちょうどよいくらいです。
植え付ける高さがよくなったら、上から用土を足します。用土が根の間に隙間なく入るように、棒で軽く突きます。
準備した用土が少し不足しました。鉢植えの表面は、赤玉土だけのほうがキレイで水の通りがよいので、赤玉土だけを追加します。
植木鉢には、用土は一杯には入れません。上面から2~3センチぐらい低い位置までにします。
最後に、たっぷりと水遣りをします。植木鉢の底から流れる水が、最初は泥水ですが、透明な水になるまで、水遣りをします。
赤玉土の表面についている細かい土を流します。細かい土はミジンと呼ばれ、鉢の中の水通りを悪くします。固まると水で流すことができなくなるので、最初の水遣りでキレイに流します。
キンモクセイの苗木は、樹高が1メートルぐらいあります。植え付けたばかりで、根が広く張っていないので、風が吹くと苗木が動き、不安定です。シュロ縄を使って、固定しました。十字にすると、しっかり固定できます。
植木鉢の底には、4箇所に溝があるので、シュロ縄をこの溝に合わせると、外れることがありません。
キンモクセイの苗木の植え付けが終わりました。植え付け後は、1週間ぐらいは、直射日光の当たらない明るい日陰で管理します。根が張っていない状態なので、葉に日光が強く当たり、光合成しようとすると根から吸い上げる水が不足します。
肥料は、10日後ぐらいから与えてもよいです。肥料を与える時期は2月と5月、花が咲く前の9月に有機肥料やリン酸分の多い化成肥料がよいです。肥料不足や窒素の多い肥料によって、あまり花が咲かないこともあります。
水遣りは、土の表面が乾いたら、鉢の底から水が流れるくらいたっぷり水を与えます。置く場所は、日当たりがよく、風通しのよい場所に置きましょう。
キンモクセイ(金木犀)の栽培は難しくはありません。植え付けの基本は、時期と水通りがよいの2つのことができれば、成功します。
キンモクセイの育て方のポイント
- 日当たり、風通しがよい場所で育てる。
- 用土は市販の培養土。作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3で配合。
- 水遣りは、鉢の土が乾いたら、たっぷり水を与えます。
- 肥料は2月~3月に寒肥として、緩効性肥料を置き肥。
- 植え付け・植え替えは3月~4月が適しています。
春のキンモクセイの鉢植えの手入れ
暖かい春になると、キンモクセイ(金木犀)は新芽が芽吹きます。葉の根元から小豆色(ライトブラウン)の新芽が先端付近にたくさん芽吹いています。植物は先端が一番成長します。 新芽が芽吹いて枝が増えることは樹形を作るためには必要なことですが、先端から枝が伸びると樹高が高くなります。
キンモクセイ(金木犀)を鉢植えで栽培する場合、希望する樹高にするために先端の新芽を剪定して、高くならないようにします。
ハサミで一番先端の葉と新芽を幹を切って剪定します。
先端を剪定しました。2番目の葉の根元からも新芽が伸びています。この新芽は、少し伸びてから先端を剪定します。
下のほうの葉の根元から新芽が芽吹くようになります。全体に枝が増えると樹形がよくなります。
春は新芽が芽吹く季節なので、新しい枝で樹形を作ります。枝をたくさん増やして葉の数が多くなると、葉の大きさが小さくなります。樹の大きさと葉の大きさのバランスよくなると、立派な樹木になります。
剪定した枝を挿し穂に使い、挿し木にチャレンジしました。
樹高が大きいキンモクセイの鉢植え
梅雨が近づいた6月になると、春に芽吹いた新芽も成長して濃い緑色の葉が増えました。たくさん日を浴びて秋に美しく、よい香りの花を咲かせてくれるように育てます。キンモクセイ(金木犀)の鉢植えは、樹高が1メートルぐらいで大きいです。成長が早いので、まだまだ大きくなります。
大きな鉢植えは移動が大変で鉢植えにしていることのメリットが少なくなります。4号(直径12センチ)で樹高30センチぐらいの小さな鉢植えで花を楽しみたいです。
剪定時期は3~4月が適しています。新芽が芽吹く前ぐらいです。来シーズンに小さく剪定しようと考えましたが、小さな鉢植えのほうが、いろいろな場所に飾ることができます。
春から夏に花芽ができるので、この時期に剪定すると花の数が少なくなります。先端付近は花がたくさん咲きます。
小さな鉢植えを作りたいので、取り木をすることにしました。取り木は株を増やす方法の一つで挿し木より成功する確率が高いです。
キンモクセイを取り木して小さな鉢植えを作る。
環状剥皮を使った取り木のやり方
先端から30センチぐらいのところの樹皮を剥いで、取り木をします。葉がなく取り木しやすいところがあります。
幹の太さは5ミリです。樹皮を剥ぐ幅は2倍ぐらいが基本です。余裕をもって15ミリ(1.5センチ)の樹皮を剥ぎます。幅が狭いと皮の剥いだ部分の傷を修復しようとして、発根しません。
キレイに洗ったカッターをライターの火で殺菌して使います。幹が太くないので普通のカッターで樹皮を剥ぐことができます。太い幹にはナイフのほうが使いやすいです。
幅1.5センチで幹に1周、2本の切れ込みを入れてから樹皮を剥ぎます。
樹皮、形成層を剥いで木質部に到達するまでキレイに剥ぎます。
上の切り口に発根促進剤のルートンを塗ります。
ビニールポットを取り付けることができるようにハサミで切ります。
切った部分を重ねてホッチキスで固定します。
ビニールポットを固定するために針金を使いました。幹に巻いてビニールポットが下がらないようにします。
ビニールポットに用土を入れます。使う用土は、赤玉土や鹿沼土の細粒、挿し木の土などです。
表面に赤玉土の小粒を入れると水遣りをするときに用土が動きません。細粒の用土は水の流れで簡単に動くことが欠点です。
水をたっぷり与えます。
取り木ができました。発根するまで2週間ぐらい、切り離すことができるまでは2~3ヶ月間、必要です。9月の花の咲く前くらいに切り離すことができる予定です。
ビニールポットの用土が乾かないことに注意するだけです。鉢植えに水遣りするときにビニールポットにも水を与えます。
※記事を更新しました。
キンモクセイ(金木犀)の取り木を切り離して、小さな鉢植えを作る
5月の下旬に取り木をしたキンモクセイ(金木犀)の鉢植えは、葉がたくさん増えて、栽培は順調です。先端の取り木をした部分も葉の色がよく、秋に花を咲きそうです。
水遣りをするときに、取り木のビニールポットにもたっぷり水を与え続けました。
ビニールポットの底を確認すると、根の先端が見えます。発根した根が伸びていることがわかります。
5月の下旬に取り木をして、3ヶ月後ぐらいの8月の中旬です。十分な量の根がありそうなので、切り離して小さな鉢に植え付けます。
植え付ける鉢は3号(直径9センチ)の素焼きの鉢です。100均で2個セットで販売されています。
ビニールポットより大きい鉢がよいですが、あまり大きな鉢では成長して樹高が高くなります。
ビニールポットを取り外しました。たくさん発根して、取り木は成功です。
ハサミで取り木した部分を親木から切り離します。
樹高20センチぐらいのキンモクセイ(金木犀)を作ることができました。
水で用土を洗い流して、根を確認します。樹の大きさに対して、根の量がまだ少ないです。
根だけで樹を支えることが難しいので、切り離すときに皮を剥いだ部分より下の枝を残しました。根の量が十分に増えて、植え替えるときに下の枝をキレイに切ります。
発根した状態を見ると、皮を剥いだ部分から四方八方に根が伸びています。取り木のメリットは、よい根張りを作ることができることです。
3号の素焼きの鉢に植え付けます。用土は赤玉土の小粒と腐葉土です。
キンモクセイ(金木犀)の小さな鉢植えができました。3号(直径9センチ)の鉢に樹高20センチです。
8月の中旬なので、花芽ができている可能性が高いです。順調に栽培すれば秋に花を観賞することができます。
挿し木でも増やすことができますが、花が咲くまで大きく成長させる必要があります。取り木なら花が咲いたことがある枝を使うので、花が咲きやすいです。
取り木を切り離して植え付けた後の管理は、水切れに注意して、明るい日陰で管理します。まだ暑い夏なので、1週間後ぐらいから少しずつ日の当たる場所に移動します。
次の目標は、秋に花を咲かせることです。花が咲く時期は、親木の大きな鉢植えの目安になります。
大きな鉢植えをよく観察して、比べるとよいので、花が咲くか?判断することができます。
キンモクセイの花
10月15日、撮影。
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