プラスチック鉢のメリットとデメリット
植物を植えるときに、どのような鉢を選ぶか。植物の種類や大きさ、色などを考えて、よく似合うデザインの鉢に植えたいと、誰でも思います。ホームセンターやネット販売を探すと、いろいろな種類の鉢が販売されていて、気に入ったデザインの鉢を探すことができます。鉢を大きく2つに分類すると、素焼き(陶器製)とプラスチック製に分類されます。それぞれにメリットがあります。
素焼きの鉢のメリット
- 排水性・通気性がよいので、過湿を防止して、根腐れしにくい。
- 気温に対して、鉢の中の温度が変化しにくい。
陶器製の鉢は、素焼きの鉢の外側だけに釉薬(ゆうやく・うわぐすり)を塗って、もう一度焼いたものです。デザインがとてもよいですが、排水性・通気性は素焼きの鉢より、悪くなります。
プラスチック製の鉢のメリット
- デザインや大きさの種類が豊富で、価格が安い。
- 軽いので移動が簡単で、割れる心配がない。
素焼きとプラスチック製では、素焼きは植物の栽培についてのメリットがたくさんあります。プラスチック製の鉢で植物の栽培についてのデメリットを考えます。
プラスチック製の鉢のデメリット
- 通気性がなく、過湿による根腐れ
- 気温や直射日光で、鉢の中が高温になる。
通気性の問題は、適切な植え替えで対策ができます。土(用土)を粒状である赤玉土などを使うことで、排水性と通気性がよくなります。粒と粒の間に隙間があり、空気や水をよく通します。粒が崩れるので、植え替えるときは、新しい用土を使います。
プラスチックは、薄くても強度があります。鉢の側面は薄くて断熱性がありません。断熱性とは、熱を伝えない性能のことです。鉢の中が、気温の影響を受けやすいです。直射日光が当たると、鉢の中が高温になります。
プラスチック鉢で植物を元気に育てる。
プラスチック製の鉢のデメリットに対策をします。植物の栽培によいスリット鉢を使います。根のサークリング現象対策ができていて、根詰まりの心配がありません。スリット鉢の7号(直径210ミリ)です。
八角形の形状とスリットが特徴です。
プラスチック鉢の通気性を向上させる
通気性を向上させるために、電動ドリルで、小さな穴を開けます。空気が通過するために穴なので、小さい穴がたくさんあるほうがよいです。プラスチック鉢の側面に、小さな穴をたくさん開けました。直径2ミリのドリルで、強度が低下しないように開けました。
用土は、赤玉土の中粒を使うので、小さな穴がたくさんあっても、土が鉢の外に漏れる心配はありません。
鉢カバーで、夏の暑さ対策
植物は、夏の暑さ対策が必要です。植物にとって、土の中の根は、とても重要です。根がダメージを受けると、元気がなくなり枯れることになります。土の中にある根は、状態を確認することができません。暑くなる前に、しっかりと対策をすることが大切です。鉢植えの夏の暑さ対策として、よく書かれていることは、
- アスファルトやコンクリートなどに直接、鉢を置かないこと。
- 真夏は、直射日光を避け、日陰に置くようにすること。
植物を栽培していれば、知っていることですが、実行しようとすると、問題点がたくさんあります。
地面に土がないから、鉢植えで育てているので、地面は、アスファルトやコンクリートなどです。直接置かないようにするには、棚などに鉢植えを置くことです。棚を置くと狭くなります。ベランダは、避難通路になっていることも多く、棚があると、隣のベランダに避難することができません。
家庭で植物を栽培する場所は、庭かベランダに限定されます。庭やベランダは、日当たりがよいです。庭やベランダが日陰になる家に住むことは、誰も望みません。日陰を作る遮光ネットや、よしずなどは、風の強い日や台風のときに心配になり、外観のことも気になります。
夏の暑さ対策を何もしないことは、植物によくないので、鉢カバーで対策をします。アスファルトやコンクリートからの熱を防ぐため、ちょっと脚の長い鉢カバーにします。鉢の側面に直射日光が当たって、土が高温になることを防ぐために、厚さのある木材を使います。
夏の暑さ対策のために、鉢カバーを製作する。
材料は、杉の荒材です。ホームセンターなどで束で販売されていて、価格が安いことが一番の魅力です。角材は、21ミリ×36ミリ×2メートル。板材は、幅10センチ×厚さ12ミリ×2メートル。10本、10枚以上の束売りで、1本、1枚あたり約100円です。7号の鉢で製作すると、2メートルの角材1本、板材1枚で十分足ります。固定するネジをサビに強いが、価格が高いステンレス製にしても、300円ぐらいで製作できます。
必要な材料をノコギリを使って切る
杉板を切ります。鉢の直径より、少し大きく製作します。7号の鉢は、直径が21センチなので、5~10ミリ長く製作します。木枠の縦と横の長さは、板の厚さの2倍分長く切ります。この板材は、厚さが12ミリあるので、縦を7号の鉢で22センチに、横は、24ミリ長くします。中途半端な寸法は、わかりにくいので、22センチと25センチで切ると簡単です。
鉢カバーの脚になる角材です。長さ33センチで切りました。高いほうが、アスファルトやコンクリートの熱の影響がなく、デザイン性もよくなりますが、倒れる心配があります。
植えている植物の樹高によっても、どのくらいがよいか?変わってきます。鉢の底が地面から10センチ離れるので、夏の暑さ対策としては、十分です。
必要な材料を切り終わりました。
ステンレス製のネジで組み立てる。
屋外で使用するので、固定するネジは、サビに強いステンレス製を使います。価格が高いことが欠点ですが、まとめて買うことで少し安くなります。短い板と角材をネジで固定します。板と板の隙間を、風を通すために2センチあります。
鉢カバーの左右の2つを同じように製作します。
長い板が鉢カバーの前面と後ろの面になります。このように組み立てるとデザイン性がよいです。 脚となる角材に固定するので、強度もあり、電動ドリルがあれば、10分ぐらいの作業です。
裏返して、底から見ます。鉢を置く部分を製作します。
鉢を置くために。角材をつけます。長さがちょうどよくないと、固定しにくい部分です。このような部分は、最後に現物あわせで切ります。
ネジで固定します。ステンレス製のネジを全部で34本使いました。
完成です。7号のスリット鉢がキレイに、入るようにできました。
鉢植えを鉢カバーに入れてみる。
もみじの鉢植えです。樹高は50センチぐらいあります。 紅葉を楽しむために育てています。枝も増えて、樹形もよくなってきました。鉢カバーの完成度を確認する。
製作した鉢カバーにもみじの鉢植えを入れました。大きさは、少し余裕をもって大きく製作したので、キレイに入ります。夏の暑さ対策が目的ですが、デザインがよくなり、高くなって、見やすくなりました。紅葉する時期は、玄関に置くことができそうです。高さもちょうどよいです。安定感があり、風が強い日でも、倒れる心配はなさそうです。値段の高い鉢を買う必要がないくらい、とてもよい雰囲気です。
地面から10センチ高くなったので、アスファルトやコンクリートの熱の影響はありません。板と板に隙間を2センチにしましたが、横から見ると2センチは隙間が大きいかなと思いましたが、写真のように立った状態で、斜め上から見ると隙間は少ししかないように見えます。
鉢カバーの製作は、成功です。夏の暑い時期に、効果がどのくらいあるか、調べてみます。
製作した鉢カバーのデザインを、もっとよくする。
杉は木材として、価格が安く、木目の雰囲気もあります。 杉をとてもよいデザインにする焼き杉をします。左の鉢カバーが焼き杉の加工をしたものです。ガスバーナーを使って、杉の表面を焼きます。焼くことによって耐久性が高くなり、デザインもよくなります。
鉢カバーを焼きました。少し燃えるくらいに、しっかり焼いて、真っ黒にします。一度に焼かないで、4~5回ぐらい焼きます。
ブラシを使って、燃えて炭になった部分を落とします。汚れるので軍手をしましょう。木目が立体的になります。
鉢カバーを焼き杉しました。木目の立体感が写真では、わかりにくいですが、とてもよい雰囲気になったことは、わかると思います。
杉の無垢と焼き杉の鉢カバーです。好きな色で塗装する方法もあります。置く場所の雰囲気に合わせて加工するとよいです。満足できる鉢カバーが完成しました。
鉢植えの夏の暑さ対策のまとめ
真夏の暑さから、鉢植えの植物を守るために、鉢カバーを製作しました。プラスチック製の鉢のデメリットである鉢の中の土が高温になることは、防ぐことができます。鉢カバーは、デザインをよくするための商品が多く、暑さ対策になるものは、少ないです。少し脚の長い鉢カバーを製作することで、夏の暑さ対策と、デザインの両方がよくなりました。暑い夏に、どのくらい効果があるかを確かめます。鉢カバーだけで、完璧な対策はできません。他の方法も、考えてみることが大切です。
いろいろなことを考えて、試してみることは、植物の栽培の楽しいところです。考えたような結果にならないこともありますが、これからも、チャレンジしていきます。
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