ビオトープに使いやすいプラ舟(トロ舟)
ホームセンターなどで販売されているプラ舟(トロ舟)です。大きさに対して価格が安く、丈夫なので、メダカの飼育容器に最適です。黒色と緑色がよく販売されていますが、和風のビオトープには黒色のほうがよいです。
大きさが3種類ぐらいありますが、設置する場所や飼育する数で選びましょう。ビオトープでは、メダカ1匹に1リットルの飼育水が必要です。
今回製作するビオトープは、小さい25リットルのプラ舟(トロ舟)を使います。メダカを20匹ぐらい飼育できます。日本製で600円ぐらいで購入しました。
プラ舟(トロ舟)に石調のタイルを貼る
ビオトープを美しくするためには、人工物であるプラスチックが見えないほうが雰囲気が出ます。底の面は、底床に赤玉土などを敷くので隠れますが、側面のプラスチックが見えます。内側の側面に石調のタイルを貼ることで、ビオトープが和風の雰囲気になります。
1辺が30センチの正方形のタイルです。黒色系の石調を選びました。1枚300円ぐらいで販売されています。 タイルですが、本物の石のように見えます。
プラ舟(トロ舟)の奥と左右の側面にタイルを貼ります。手前の側面は見えないので貼りません。タイルを切る作業が増えますが、2枚あれば、貼ることができます。
同じ種類のタイルで、小さいタイルもあります。1辺が15センチの正方形です。このタイルなら切ることはなく、並べるだけでよいです。1枚100円で8枚必要なので、ちょっとコストが上がります。
以前、製作した大きなプラ舟で小さいタイルを使いましたが、縦の線が見えるので、タイルであることが、すぐにわかります。
今回は大きなタイルを貼ります。左右の側面は1枚で貼ることになり、タイルであることがわからないようになります。
石調のタイルを切る
最近は、安いものでも、ある程度きれいに切ることができます。耐久性も悪くはないです。
ディスクグラインダーと呼ばれる電動工具を使います。ディスクグラインダーは、音が大きく、うるさいです。騒音トラブルに気をつけて使用します。
購入したい場合は、ホームセンターで音の大きさを確認することを勧めます。音がうるさくて、ほとんど使わなくなることがあるからです。
ディスクグライダーは使い慣れていないと、ちょっと危険な電動工具です。重たくて、持ちにくいので、しっかり力を入れて切ります。
初めて使う人は、百均にディスクグラインダー用の砥石などが販売されているので、木材などのあまり硬くない材料を削ったりして慣れてから、ダイヤモンドカッターを使いましょう。
1辺が30センチの正方形のタイルを半分に切ります。プラ舟(トロ舟)の深さは13.5センチです。ちょっと長いですが、木枠を製作するので大丈夫です。木枠の厚さが2センチあるので、ちょうどよいぐらいになります。
石調のタイルに線を引くことは難しく、見えにくいと切るときに顔を近づけて危険です。切る線がよく見えるように、テープを使います。塗装用のマスキングテープが白くて見えやすいので便利です。
ダイヤモンドカッターでタイルを切ると、ダイヤモンドカッターの厚さがあるので、ちょうど半分でテープを貼ると、どちらかが短くなります。3~4ミリぐらいの余裕が必要です。
2つのブロックを隙間を開けて置きます。タイルは重いので、片側でなく両側にブロックを置かないと、切っている途中で割れてしまいます。軍手と保護メガネも用意しましょう。切りくずがたくさん飛びます。
メガネをかけているので、保護メガネは用意していません。DIYをよくするので、レンズが大きいDIY用の安いメガネを持っています。
普通のメガネでは、レンズが小さく隙間から切りくずが目に入ることがあります。目に切りくずが入ると、視界がなくなり、とても危険です。
ディスクグラインダーは重たく、回転しているときは必ず両手で持たないと怪我をします。安い保護メガネがあるので、必ず用意しましょう。
このダイヤモンドカッターでは、切り口がこのくらいの幅になります。4ミリの幅であれば、半分より2ミリ短くしてテープの右端を合わせます。
キレイに切れました。もう1枚のタイルも半分に切ります。
プラ舟(トロ舟)の角は斜めになっています。
半分に切ったタイルをプラ舟(トロ舟)で確認すると、角はキレイに貼ることができません。 少し斜めになっているからです。奥の側面も57センチなので、タイルを2枚並べるとちょっと長いです。
このくらい隙間ができます。あまり目立つところではないので、このままでも大丈夫そうですが、キレイに貼りたいので、タイルを斜めに切ります。
プラ舟(トロ舟)の角の斜めに平行になるようにテープを貼ります。このテープに沿って切れば、キレイにタイルを貼ることができます。
奥の側面は、少し長いので難しいです。片方を斜めに切って、プラ舟(トロ舟)で長さを確認して、もう片方を切ります。
少しだけ切るほうが難しいです。
慎重にして、キレイに切ることができました。
プラ舟(トロ舟)で長さを確認します。プラスチックがまったく見えないようになりました。
石調のタイルをプラ舟(トロ舟)に貼る。
タイルをプラ舟(トロ舟)にバスコークNで接着します。水槽用のものなら、防腐剤なしでメダカにも影響がありません。ラベルの裏側が説明書になっています。よく読んで正しく使いましょう。
貼る場所を間違えないように、タイルを並べて置きます。
タイルの裏側にバスコークNを塗ります。たくさん塗ったほうが、しっかり固定できますが、貧乏性なので最低限の量しか塗りません。
奥の側面から貼ります。奥の側面が下になるようにプラ舟(トロ舟)を立てて置きます。
説明書には、「24時間の静置」と書いてあります。動かないように重りとして車のジャッキを置きました。1日ですべてのタイルを貼ることはできません。翌日以降に左右の側面にタイルを貼ります。
左右の側面にタイルを貼るときは、プラ舟(トロ舟)をブロックを使って傾けました。重りを置いて動かないようにします。タイルを貼る作業で奥、右、左と3日以上かかります。完全に硬化するまで乾燥させると強い接着力があります。
右側の隅は、キレイにタイルが貼れました。
左側もプラスチックがまったく見えません。手前の側面にタイルを貼っていないので、この状態では不恰好ですが、木枠を設置するとキレイになります。
プラ舟(トロ舟)の上部よりタイルのほうが長くなっていますが、これも木枠でちょうどよくなります。
バスコークNのアク抜き
バスコークNの説明書には、アク抜きをするように書いてあります。プラ舟(トロ舟)を満水にすると25リットルの水が必要です。「水を繰り返し入れ替えて充分にアク抜きしてください」と書いてあるので、大量の水を使います。プラ舟(トロ舟)を傾けて、水の量を少なくてアク抜きができるようにします。
傾けたプラ舟(トロ舟)に、水を入れます。
タイルを貼った部分を水でアク抜きします。奥の側面をアク抜きしています。
しばらくしてから、左右の側面のアク抜きをします。時間はかかりますが、使用する水の量を減らすことができます。
プラ舟(トロ舟)の内側に石調のタイルを貼る まとめ
人工物のプラスチックが見えないように、石調のタイルを貼る作業は、「タイルを切る」「接着」「アク抜き」と時間がかかります。完成したビオトープを見ると、プラ舟(トロ舟)であることが、まったくわからなくなります。
大きな陶器製の睡蓮鉢は、高価なものになります。低予算で本格的な和風のビオトープを製作するので、製作は難しく、時間がかかります。
プラ舟(トロ舟)に木枠を製作する
木枠を製作する材料は、価格が安く、和風の雰囲気が出る杉の荒材を使います。プラ舟(トロ舟)の側面には、幅105ミリの杉板の荒材、上部には、21ミリ×36ミリの杉材を用意しました。長さは約2メートルです。杉の荒材は束売りです。たくさん使う予定がない場合は、ちょっと高くなりますが、必要な分だけ購入しましょう。杉やヒノキがおすすめです。
プラ舟(トロ舟)の側面の木枠を製作する
杉板をプラ舟(トロ舟)の縦と横の長さに合わせて切ります。ノコギリ、メジャー(巻尺)、さしがね、鉛筆を用意します。このように、さしがねを使うと直角に線を引くことができます。荒材なので直角になりませんが、便利な定規です。
縦と横の杉板を切りました。横の板は、プラ舟(トロ舟)の長さより左右の杉板の厚さ分、長く切ります。
杉板をネジで組み立てるために穴の位置にきりで印をつけます。
電動ドリルでキレイに穴を開けます。杉板の端に近いので、板が割れないように穴を開けます。
2箇所に穴を開けて、ネジで組み立てます。
できるだけ直角に組み立てるために、四角い箱などを利用すると仕上がりがキレイになります。使っていないプラスチックの水槽を利用しています。
側面の木枠が完成しました。
プラ舟(トロ舟)に木枠を取り付けます。長さが短いと、木枠が入りません。 ちょっと長くすると安心して製作できます。
側面の木枠が完成しました。
ネジで固定します。前面はネジが見えるので、左右と奥の面にネジで木枠とプラ舟(トロ舟)を固定します。
プラ舟(トロ舟)の上部の木枠を製作する。
プラ舟(トロ舟)の上部の木枠を製作します。杉材は約21ミリ×36ミリです。木枠は、簡単に製作できる方法にしました。縦と横の長さに合わせてきります。
ネジで固定するだけです。杉材の端のほうなので、電動ドリルで下穴を開けてます。杉材が割れることを防ぐためです。
幅が36ミリあるので、しっかり固定するためには、長いネジが必要となります。ちょっと工夫して、あまり長くないネジでキレイに固定する方法は、下穴の半分まで大きな穴にして、ネジの頭を隠すようにします。大きな穴が深くならないようにテープで印をつけます。
下穴の半分までを、ネジの頭が入るように大きな穴にします。
ネジの頭の大きさに合わせて、大きくしました。
長さが50ミリのネジを使います。杉材の幅が36ミリあるので、14ミリしか縦の杉材に固定できません。
下穴の半分までネジの頭が入るようにすると、写真のようになり、32ミリ縦の杉材にネジが固定できます。
前から見ると、ネジの頭がキレイに隠れます。
上部の木枠の完成です。
プラ舟(トロ舟)に長さにぴったりです。タイルが少し長くて、はみ出していましたが、木枠の高さが21ミリあるので、ちょうどよくなります。
木枠の高さで、手前の側面は見えなくなるので、タイルを貼る必要はありません。
木枠をプラ舟(トロ舟)に固定します。ふちの部分に電動ドリルで穴を開けてます。
下から見ると、小さな穴が見えます。
下からネジで木枠を固定します。
木枠ができると和風のビオトープになります。プラ舟(トロ舟)の木枠の製作は、側面と、上部に分けたほうが簡単にできます。
製作した和風のビオトープをレイアウトする。
25リットルの小さいプラ舟(トロ舟)は、地面に直接置くと、ちょっと低いのでブロックの上に置きます。エサやりや水草の手入れのときに、作業しやすい高さにするとよいです。2つのブロックの上に、製作したプラ舟(トロ舟)を設置します。
底床には、ボラ土の中粒を使いました。名前に土とありますが、ちょっと硬い軽石のようなものです。 赤玉土のように崩れることがないので、洗うと再利用ができ、とても経済的です。
ボラ土は、ふるいで小さな粒を取り除きます。ふるいは百均で購入しました。粗目を使いました。
ふるいを使って、ボラ土をビニール袋から取り出します。10回ぐらい横に振ると、小さな粒は落ちます。
小さい粒を取り除く理由は、ビオトープの水換えは、1年に1回ぐらいしかしません。春と冬に底の汚れを大きなスポイドで吸います。
小さい粒がスポイドを詰まらせることがあるので、ちょっと手間がかかりますが、底床から小さい粒を取り除きます。
ボラ土を洗うと、表面に付いた汚れが落ちるので、早く水が透明になります。
プラ舟(トロ舟)の底にボラ土を敷きます。底が隠れるぐらいに敷きます。
底のプラスチックが隠れたことで、前から見ると、プラスチックは、まったく見えません。プラ舟(トロ舟)であることも、わかりません。
水を入れます。
浮かぶボラ土があります。2~3日後に沈みますが、取り除いてもよいです。
水草を入れます。姫睡蓮、ミニシペラス、マツモを入れました。
シラサギカヤツリとナガバオモダカもレイアウトしました。予備の水草なので、鉢のデザインに統一感がありません。ビオトープを観賞しながら、どのような鉢にするか、これから考えます。
プラ舟(トロ舟)で、和風のビオトープを製作する方法 まとめ
製作に必要な材料
- プラ舟(トロ舟) 25リットル
- 石調のタイル 30センチ×30センチ 2枚
- 杉板(荒材) 幅105ミリ 厚さ12ミリ
- 杉材(プレーナー) 21ミリ×36ミリ
- バスコークN
内側に石調のタイルを貼る
プラ舟(トロ舟)の内側のプラスチックは、メダカを観賞するときに、どうしても見えます。木枠は、側面と上部に分けて製作する。
木枠の制作方法は、いろいろありますが、一番簡単な方法は、側面と上部を別々に製作することです。木材を切ってネジで固定するだけです。美しいビオトープで、メダカの飼育を楽しみましょう。
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