イチョウ(銀杏)のミニ盆栽で新緑を楽しむ
小さいイチョウ(銀杏)の苗
種から発芽させたイチョウ(銀杏)の苗です。成長が早く、幹が伸びるので15センチぐらいで先端をハサミで切って芯止めをすると、幹の途中から芽吹いて葉がつきました。3箇所から葉が芽吹くと、苗ではなくミニ盆栽になります。自然な感じの樹形が好きなので曲げはつけません。
左の鉢のイチョウ(銀杏)も、芯止めをしましたが、先端付近に葉が芽吹いただけです。葉が先端だけにあるとただの苗に見えます。右の鉢のイチョウ(銀杏)は葉が小さくバランスがよいです。葉の数が増えると、葉の大きさが小さくなります。
落葉したイチョウ(銀杏)の苗を植え替えます。植え替えることで、根が成長して、幹が太くなれば、新しい葉が芽吹く可能性が高くなります。
イチョウ(銀杏)の苗の植え替え
鉢に植えると植え替えが必要になります。根が成長して根詰まりするからです。根詰まりすると、根の成長が止まります。根が成長しないと幹や枝も成長しません。鉢の底から根の先端が出ている場合は植え替えをします。植え替える時期は、新芽が少し膨らんだ3~4月がよいです。植え替えをすることで、イチョウ(銀杏)の成長を活発にして幹を太くし、枝や葉を増やします。もっと大きな鉢に植え替えたほうが成長はよくなりますが、ミニ盆栽にするために、小さい鉢に植え替えるときに、根をたくさん剪定しなければならなくなるので、同じくらいの大きさの鉢がよいです。
植え替えの準備
植え替えするために新しい鉢を用意します。直径12センチのポリポット(4号)にハサミでスリットを自作しました。キレイに飾りたい場合は、好きな鉢を選びましょう。盆栽用の浅い鉢は水遣りの管理が難しいので、普通の形の鉢がおすすめです。植え替えるイチョウ(銀杏)の苗の数の5つのポリポットを用意しました。
用土は赤玉土の中粒と腐葉土です。割合は赤玉土:腐葉土が7:3です。用土は盆栽用には多くの種類があります。いろいろな用土を混ぜ合わせることで、効果を得ることは知識と経験が必要になります。
簡単に分かりやすくミニ盆栽を作りたいので、赤玉土と腐葉土だけにしました。他の用土を混ぜてはいけないことはありません。好みで用土を追加することも楽しみの1つです。
腐葉土に葉や枝が残っている場合、ふるいにかけるとよいです。ミニ盆栽は鉢が小さいので腐葉土も細かいものを使います。高級な腐葉土はふるいにかけなくてもよいらしいです。買ったことがないのでよく分かりません。ホームセンターで一番安いものを買っています。
赤玉土を入れて混ぜます。必要な量の用土を用意しましょう。慣れないと、どのくらい必要か分かりにくい場合は、鉢を使うと上手くできます。
4号の鉢が5つ分必要なので、赤玉土の量は4号の鉢で3杯と半分、腐葉土の量は1杯と半分を4号の鉢で測ると割合が7:3になります。
水と水を入れるバケツか洗面器を用意してください。水は散水ノズル付きのホースが便利です。水を貯める容器は、ミニ盆栽なら洗面器ぐらいがちょうどよいサイズです。
植え替えするときに、根を乾燥させると元気がなくなったり、枯れることがあります。短い時間で植え替えが終わるように、鉢と用土の準備をしっかりして植え替えの作業を始めます。
植え替えのポイントは根の剪定
鉢から出して、土を取り除き根の状態を確認します。幹から伸びた直根だけでなく、横方向に伸びる根もあります。横方向に伸びる根が大切です。この根が四方八方に広がって伸びると根張りがよくなります。根の量が減って心配になりますが、根の量よりバランスよく均等に根が伸びたほうが成長がよくなり、樹形もよくなります。どのくらいの量まで剪定して大丈夫か?樹木や栽培環境によって違いがあるので、経験してみることが重要です。種から発芽させた苗が数多くあると、根の剪定にチャレンジしやすいです。
イチョウ(銀杏)の苗を植え付けました。ポリポットにスリットをハサミで切って排水がよくなっているので、底石は入れないで用土だけです。棒で軽く用土を突いて隙間でできないようにします。最後に赤玉土だけを足すとキレイになります。
底から流れる水が、最初は泥水ですが、たっぷりと水遣りをすると透明な水になります。流れる水が透明になるまで水遣りをします。
1週間は、直射日光の当たらない場所(明るい日陰)で管理します。毎日の水遣りを忘れないように注意します。
イチョウ(銀杏)のミニ盆栽のこれからの目標
幹を芯止めしているので、樹高はこのままです。幹を太くしてバランスをよくします。幹が細いとイチョウの苗です。苗からミニ盆栽にするためには、幹の太さが必要です。成長を助けるために肥料を与えます。植物に必要な栄養素は窒素(N)リン酸(P)カリ(K)の3つです。イチョウ(銀杏)は窒素(N)が多くなるとキレイな黄色に紅葉しません。
幹が太く成長することで、幹の途中から新しい葉が芽吹くことを期待します。葉の数が多くなれば、葉の大きさが小さくなる可能性があります。ミニ盆栽では、樹木の大きさと葉の大きさのバランスが重要です。葉が小さいと小さな樹木でも立派に見えます。
- 肥料を与えて、幹を太くする。
- 葉の芽吹きを増やして、葉の数を増やす。
- 葉の大きさを小さくして、バランスをよくする。
※2018年3月23日に公開した記事に2018年4月6日までの様子を追記しました。
イチョウのミニ盆栽に葉が芽吹いてきました。
3月25日に植え替えをして、4日後の3月29日には、新芽が大きく膨らんで緑色になりました。根を剪定しましたが、影響はなく芽吹きそうです。4月2日の写真です。葉が芽吹いてきました。1年前と同じ所に葉がつきました。左側にも葉が増えてくれると、バランスがよくなりますが、思うようにはなりません。
4月3日、植え替えをしてから1週間は過ぎて、順調に新しい葉が芽吹いているので、日当たりのよい場所に移動しました。
イチョウのミニ盆栽は18鉢あります。葉が先端だけにしか付いていないイチョウが多いです。芽摘みや芯止めなどをして、幹の途中に葉が芽吹くように、いろいろとチャレンジしてみます。葉が3箇所から芽吹くことができれば、成功です。
イチョウのミニ盆栽をテーブルの上に置いています。盆栽は台や棚に置きます。地面に置くと、雨水の跳ね返りで、葉にゴミがついたりして汚れます。
少しだけですが高いと風通しがよくなり、病気や害虫の被害が少なくなります。鉢の底の排水性もよくなり、乾きやすく雑菌の繁殖が少ないです。
高さが45センチのちょっと低いテーブルです。自作した作業用のテーブルです。水が流れるように隙間があるようにしてあります。
高さもイスに座って作業するときに、ちょうどよい高さです。このままでは、他の作業ができないので、盆栽棚を製作しようと考えています。
今後も、イチョウのミニ盆栽の様子を報告していきます。
※2018年4月6日に公開した記事に2019年4月の植え替えを追記しました。
イチョウ(銀杏)のミニ盆栽をキレイな鉢に植え替える
イチョウ(銀杏)の苗をキレイな白い鉢に植え替えて、ミニ盆栽が完成です。発芽して3年目のイチョウ(銀杏)
小さなイチョウ(銀杏)の中で一番、葉の間隔がよい苗です。黒いビニールポットで1年間、幹が太くなるように栽培しました。1年間栽培しても、幹はほとんど太くなることはなく、葉の大きさも小さくなりませんでした。先端に葉がありませんが、先端の葉が大きくなるので冬に先端にある芽を取り除きました。
植物は先端が一番成長するので、暖かくなれば葉が芽吹きます。大きくならずに2番目、3番目の葉の大きさと同じくらいになることを期待しています。
飾る場所を選ばないモダンな鉢を探す。
イチョウ(銀杏)のミニ盆栽の鉢は、飾る場所を選ばない和風でも洋風でも似合うモダンな雰囲気がある鉢を探しました。ネットで探すとイメージに近い鉢がありましたが、ちょっと高価で送料も必要です。種から栽培した苗なので、鉢も安くてよいものを使いたいです。
100円ショップ(百均)の陶器の食器によい雰囲気のものがありました。白い陶器で大きさもちょうどよく、価格が安いことが一番よいことです。
食器なので鉢のように水が流れる穴がありません。ダイヤモンドホールソーで小さな穴を2つ開けました。
ダイヤモンドホールソーはネットで中国製ですが激安の商品があり、簡単に穴を開けることができました。
陶器の食器を鉢にするために穴を開ける方法の記事を書きました。参考にしてください。
関連記事 100円ショップ(百均)の陶器に穴を開けて、ミニ盆栽の鉢にする
白い食器の陶器の大きさは直径が8.5センチです。
3号(直径9センチ)の駄温鉢の浅鉢とほぼ同じくらいの大きさです。栽培を重視する場合は駄温鉢がよいです。白い色がイチョウ(銀杏)の新緑や紅葉の黄色に、とてもよく似合います。
ビニールポットから白い鉢に植え替え
浅い鉢に植え付ける場合は、樹が倒れないように針金を使って固定します。針金は銅線とアルミ線がありますが、価格が安く再利用できるアルミ線を使います。100円ショップ(百均)でも販売されています。太さが1ミリ、2ミリ、3ミリの3種類があり、色も豊富です。ブロンズ色の2ミリを使いました。
針金が固定できるように2つの穴を開けました。鉢の直径の3倍くらいの長さに切った針金を2つの穴に間隔の長さで直角に曲げます。
針金の2つの先端を穴に入れます。
鉢の底に針金があると、鉢が安定しませんが、隙間ができて穴から水の流れがよくなります。排水性は鉢植えの栽培の重要なポイントです。
鉢底から樹を固定するための2本の針金が出ます。
2本の針金を鉢底に沿って曲げます。
鉢底の中央で十字に曲げます。
さらに、90度曲げて完成です。樹は鉢の中央に植え付けるので、2つの針金を中央で交差させます。
盆栽では底石のことをゴロ土と表現することがあります。植え付ける用土と同じもので粒の大きなものを底石の代わりに使います。
用土はイチョウ(銀杏)なので、赤玉土を使います。ゴロ土は赤玉土の中粒を使いました。底に薄く敷きます。
排水性と通気性がよくなります。粒が大きいので鉢底の穴から水と空気の流れを確保できます。
薄く敷いたゴロ土の上に赤玉土の小粒を鉢の深さの1/3まで入れます。
植え替えのための鉢の準備ができました。植え替えでは根の剪定や植え付ける向きや角度の調整に時間を使います。根が乾かないよう鉢の準備をしっかりします。
黒いビニールポットからイチョウ(銀杏)を取り出します。土で汚さないために鉢受け皿の10号(直径30センチ)を使いました。100円ショップ(百均)で販売されています。
ビニールポットから取り出して、竹串で土をキレイに取り除きます。
根の状態はよく、直根(幹からまっすぐ伸びている根)は1年前に剪定しているので、横に伸びている根が太く成長しています。
根を鉢の大きさと比べると、長い根があります。
太い根の先端部分を剪定します。
太い根を剪定して短くしました。鉢の内側に当たらないくらいの長さにします。
根をたくさん剪定しました。イチョウ(銀杏)は丈夫な樹なので、根が少なくなっても枯れることはありません。
準備した鉢にイチョウ(銀杏)を植え付けます。円形の鉢で直幹の樹形なので中央に植え付けます。
幹の根元を針金で固定します。2つの針金を巻きつけて、動かないようにしっかり固定します。樹が動くと細い根が切れます。細い根が水を吸うので、樹が枯れることもあります。
鉢に赤玉土を入れます。
隙間ができないように竹串で突きます。
鉢植えでは用土の量は鉢の深さの8分ぐらいですが、ミニ盆栽では小さな鉢なので満杯に入れます。苔や化粧砂で飾る場合はちょっと少なくするとよいです。
植え替えの最後の仕上げは水遣りです。底から流れる水が泥水から透明な水になるまで、たっぷり水遣りします。
イチョウ(銀杏)のミニ盆栽の完成です。芽吹き始めの状態で植え替えました。葉が大きくなれば植え替えは成功です。
植え替え後は1週間ぐらい、明るい日陰で管理します。根が少なくなって水を吸収する力が弱くなっています。水遣りは1日1回必ずしましょう。
完成したイチョウ(銀杏)のミニ盆栽の新緑から秋の紅葉までの様子を記事を更新する予定です。枯れないように管理して、葉の大きさが小さくすることが目標です。
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